錬金術士と装備1
誤字報告ありがとうございます。
私達は早速武器の調整のために外に出ていた。
「一応弓の長さは調整しましたが他の調整は一緒にやっていきましょう。一度弓を引いてもらっても良いですか?的はそうですね…」
ファーレさんはそう言うと目の前の林の中に魔術で土の的を作った。ファーレさんは暗唱無しなんだ。あれ?でも確か師匠は欲しいって言っていたような…
「簡易な作りですみませんが、あれを的にしましょう。」
「…」
「…どうかしましたか?」
私が土で作った的を見つめているとファーレさんが心配そうに声をかけてきた。
「あっ。すみません。普通の人は魔術を使う時呪文が必要だと師匠に教えてもらっていたので…」
気になった事を聞いてみる。
「そうですね。確かに呪文暗唱すると魔術を構築しやすいです。しかし適正属性であれば暗唱を行わずに使えるようになりますよ。」
「…適正属性?」
ファーレさんが言うには魔術士や術士は火、水、土、風、雷、闇、光、無の6属性全てが使える訳では無く、多くても2つほど。勿論中には2つ以上の適正を持つ人がいるけれどかなり少ないとのこと。
…目立たないように人前で一度魔術で使った属性以外は使わないようにしなきゃ。
ちなみに無と言うは身体強化みたいなやつで、ファーレさんは土と水と風が適正らしい。でも暗唱を行わずにできるのは土属性だけだから全然駄目だと言っていたけど3つも適正があるんだからそれだけで十分凄い。
「話が脱線してしまいましたね。そろそろ始めましょうか。」
「はい。すみません。」
私はファーレさんから弓と矢を受け取り早速弓を引いた。
ピュンッと矢が空気を切り的を射る。
森を出てから弓は練習できていなかったけど腕は鈍っていないようで良かった。私はほっと胸を撫で下ろす。
「…きれいな射型で胴や手のブレも無くこの正確さ。思っていたより凄いですね。弓の強さと重さは大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。弓の強さはあと2ほど強くして欲しいです。重さは丁度いいのでこのままでお願いします。」
「分かりました。それでは一度お預かりしますね。」
ファーレさんに弓を渡し、ずっと気になっていた事を聞くことにした。
「あのファーレさん」
「何でしょうか?」
「この弓ってどうしてこんな形をしているのでしょうか?別にこのデザインが嫌と言う訳では無く今まで使っていたものと全然違うので…」
「あぁ。このデザインはですね…」と言いって弓の真ん中を持つと弓は2つ折りになった。
「この様に持ち運びが楽になってます。弓はどうしても嵩張ってしまいますからね。やってみますか?」
「あ…はい‼」
もう一度ファーレさんから弓を受け取りやってみる。
「弓の真ん中の飾りの中を開く時は内側から閉じる時は外側から押してください。逆からやってしまうと指を挟んでしまう恐れがあるので気を付けて下さいね。」
言われた通りにやると弓はスムーズに閉じたり開いたりした。これ凄すぎる‼
「弓が閉じる時弦は緩まってしまいますが、開く時に自動で元の強さに直るので安心してください。」
「凄いです‼ファーレさん‼」
「ありがとうございます。そういえば近接武器は何か持っていますか?」
「近接武器ですか?お守りで師匠から短剣はもらいましたけど…」
「そうですか…グラディウス様からのお守りでしたら他の武器を持っておいた方がいいかも知れませんね。後からその短剣見せてもらっても良いですか?」
「はい。勿論良いですよ。」
「ありがとうございます。ひとまず家の中に入りましょうか。」
「はい。」
家に入るとファーレさんに椅子に座るように言われ座るとファーレさんは物を取りに部屋へ向かった。
ファーレさんにが戻って来ると机の上に2本の短剣が置かれた。
「この短剣はどうでしょうか?是非手に取って見てください。」
言われた通りに手にとって見る。片方の短剣は刃渡りが短く片刃になっている。もう一本の短剣は最初の短剣より刃渡りが長く両刃になっていた。どちらともそれほど重く無く扱いやすそうだ。
「これもファーレさんが作ったんですか?」
私がそう聞くと少し驚いたような顔をして笑った。
「あはは。流石に鍛冶までは出来ないよ。それは昔使おうとして使わなかったやつだよ。」
楽しそうに笑っていたファーレさんは何かにハッと気づき「失礼しました。」と私に謝り俯いた。
「何がですか?」
「その…言葉を」
そうな事気にしてないのに。
「ふふふ。それなら私どちらかと言うとさっきの方が嬉しいです。」
「え?」
「駄目でしたか?」
「いや。…それならこの話し方でも良いかな?」
「はい‼」
それからこの2本の短剣の使い方を教えてもらった。短く片刃の方が斬撃用で長く両刃の方が刺突用とのこと。上手く使えば双剣としても使えるらしい。…双剣としても使えるように練習してみようかな。
「さて、僕はこれから弓の最終調整をするからゆっくり休んでてね。」
ファーレさんはそう言って準備を始める。
…私やってもらってばっかりで何も出来てない。私にできる事…あっ‼そうだ‼
「ファーレさん‼料理しても良いですか?」
「えっ?」
「師匠にご飯作っていたので味は問題ないかと思います。私ができる事それぐらいしか無いので…やっぱり駄目でしょうか」
どうしようここで断られたら本当に何も出来ない…
ファーレさんは少し考えると
「…それじぁお言葉に甘えて作ってもらってもいいかな?最近ろくなもの食べてなくて。お客さんに作ってもらうのは申し訳ないけど。」
「っ‼任せてください‼美味しい料理作ってみせます‼」
「うん。棚にある食材好きに使ってもらっても構わないからよろしくね。」
「はい‼」
何を作ろうかな?あっ‼ファーレさんに好きな物聞くの忘れた。でももうファーレさん部屋に入っちゃったし…
うん。こうなったら師匠が褒めてくれたスープを作ろう!よーし。頑張るぞー‼
読んで下さりありがとうございます。




