錬金術士との出会い2
私が部屋に戻るとファーレさんは椅子に座り頭を抱え蹲っていた。
「ファーレさんお風呂と服ありがとうございました。」
私が声をかけるとファーレさんは勢いよく顔を上げると「いえ。…お気になさらず。」と言って何故かとても落ち着きがない。どうしたんだろうと私が考えているとファーレさんがいきなり立ち上がり私に頭を下げてきた。
「本当ににすみませんでした‼︎あ、あ、あの…そのさっきの…見たこと…とととにかくすみませんでした‼︎」
さっきの事気にしてくれていたんだ。見られてしまったものはどうにもならないし、もう気にしていなかったのに。
「ファーレさん大丈夫ですよ。自分の事話していなかった私も悪かったですし、ファーレさんは良かれと思い服を持って来て下さったのですから。それよりも頭を上げて下さい。」
しかしファーレさんはなかなか頭を上げず私が何度も説得してやっと顔を上げると、その顔は険しかった。
「エルピスさん。少しお話があるのですがよろしいですか?」
「…はい」
私はファーレさんに向かいの席に座るように勧められその席に座るとファーレさんは私に色々な事を教えてくれた。
今女性が極端に少なく故に貴重でどこの国も女性が生まれるとすぐに国の管理下に置かれてしまい自由は無いのと同じという事。そして師匠は魔法使いはとても少ないと言っていたけど、今魔法使いはお伽話で語られるような存在になっている事。…あぁ。ファーレさんが言いたい事がだんだん分かってきた。私は女で魔法使い。バレて捕まってしまったら…考えなくても良く無い事が起こることぐらい私にでも分かる。それでもやっぱり私は…
ふとファーレさんの顔を見ると少し俯いていてよくは見えないけど相変わらず険しい顔をしている。…ファーレさんはやっぱり優しい人だと思う。まだ会って間も無い私の事を心配してこれ以上先に進む事を止めようとしてくれている。
「それで…エ「ファーレさん。」
私がファーレさんの言葉を遮るとファーレさんはこちらを見た。
「ファーレさんが言いたい事、…何となくですけど分かります。きっと私が進もうとしている道はいつも危険と隣り合わせになってしまうと思います。…分かっていても…私は自分の目でこの広い世界を見たです。だからごめんなさい‼︎私は立ち止まらず進みます。」
私がそう言うと2人の間に沈黙が流れてその沈黙わ最初に破ったのはファーレさんだった。
「本当にいいのですか?…きっと辛いですよ。最悪何もを見れないまま終わることだってあり得ます。」
「…それでもいいのです。何もしないまま終わってしまうくらいなら、私は進むことを選びます。その先にあるのが死だと分かっていても。…だって勿体無いじゃないですか。私達はたくさんの可能性を持って生まれてきたんですよ?それを最初から諦めてしまうなんて私にはできません。それに実現出来なかったとしても進んだ道はそこで見たものは無駄では無いと思っています。」
「…分かりました。それでは改めて依頼を受けようと思います。…グラディウス様からでは無くエルピスさん貴方から。」
「?」
「協力させて下さい。僕では力不足かもしれませんが。」
ファーレさんがふわっと微笑み、手を差し出してきた。私は急いでその手を握り「ありがとうござます‼︎是非お願いします‼︎」と言うとファーレさんは何故か嬉しそうに笑った。
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