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錬金術士との出会い


「すごい…空ってこんなに広いんだ。」


森から出るとそこには青い空がどこまでも広がっていた。私にとっての空は木々の間から見るものだったからその大きさにとても驚いた。

「ピピィッ」

呆気に取られている私の前を黒い鳥が飛びながら鳴いている。

「あっ。ごめんごめん。早く行かないとね。」

確かここからだと歩いて5日ほどかかるって師匠は言ってたっけ。

ふと後ろを振り向く。あんなに頑張っても決して出ることができなかった森からこんなに簡単に出られちゃうなんて……

「クゥーン…」

私が考え込んでいるとファリスが心配そうに私の脚にすり寄って来た。

「…大丈夫だよ。さぁ行こっか‼」

「わんっ‼」

「鳥さん案内よろしくね。」

黒い鳥は私の周りをいっかい回ると前へ飛んで行き私はその後をついて行った。


それからはとても楽しかった。食べ物は川で魚をファリスと一緒に取ってみたり、寝るときは満天の星を見ながら寝て。確かに寂しい気持ちもあったけどそれ以上に初めて見るものばかりで楽しかった。1番驚いたのは動物。あの森は動物は生息しておらずいるのは強い魔物ばっかりで、外へ出てこんなにかわいい動物がそこら中にいるのを見て感動してしまった。


そんなこんなで歩き続けているとポツンと一軒の家が見えてきた。と黒い鳥はドアの近くに降り立ちこちらをジーと見ている。

…ここが錬金術の家か。上手くお話できるかな?師匠とトリストとしか話したことないし。あー緊張してきたよ。

そんなことを考えているととうとうドアの前に辿り着き、黒い鳥は役目を果たし消えてしまった。

よし‼考えてもしょうがない。なるようになれだ‼

私は扉をノックする。

「ごめんください。剣の魔法使いの紹介で参りました。」

私がそう言うとドアの向こう側からドタバタと音がしたかと思うと勢い良くドアが開かれた。

「お待ちしておりました‼魔法使い様。さぁ中へ。」

そう言って家の中へ案内してくれた。


私の中では師匠の知り合いなのでもっと歳を取っていて怖い感じなのかな?と思っていたけど全然違かった。ふわふわとした茶色に近い赤髪の毛で前髪が長くて目は隠れている。歳は私と近い様な見た目だ。

「魔法で来られたのですか?」

「いいえ。歩いて参りました。」

「そうですか。そしたらお疲れでしょう。どうぞ。お座り下さい。」

「ありがとうございます。」

そう言われて椅子に座り周りを見る。この部屋には椅子と机しか無い。

「飲み物は紅茶でもよろしいですか?」

「あっ。はい。大丈夫です。」

しばらくすると紅茶を持って錬金術は戻ってきた。

「どうぞ。」

「ありがとうございます。」

「そういえば自己紹介がまだでしたね。僕はファーレと申します。」

「エルピスです。よろしくお願いします。」

「どうぞ。飲んで下さい。」

「いただきます。」

紅茶の温かさが体に染み渡る。緊張で体温が下っていたみたいだ。

「早速で申し訳無いのですが今回は武器と防具の注文を頂いているのですがどんな物をご所望ですか?」

「えっと…武器は弓で防具もそれに合わせたものでお願いします。」

「…魔法使いなのに弓ですか?」

「はい。師匠に外では極力魔法を使わないように使うにしても魔術にするようにと言われ、魔法や魔術を使わないとなると遠距離の攻撃が難しくなるので遠距離武器で1番得意な弓が良いなと思いまして。」

「確かに魔法は使わない方が良いでしょう。魔術も使わないとなるとなれば目立つこともありませんね。」

「…難しいでしょうか?」

「いえ。大丈夫です。丁度新しい弓を作った所でそれなら魔法使い様にも扱いやすいかと。」

「…あの」

「なんですか?」

「その…魔法使い様と言う呼び方では無く名前で呼んで欲しいのですが…」

「?」

「まだ魔法使いになったばっかりでそんな風に呼ばれるほどすごくないので…」

「分かりました。それなら僕も気安くファーレと呼んで下さい。改めてよろしくお願いしますね。エルピスさん。」

「はい‼よろしくお願いします。ファーレさん。」

「そうだ。これから色々と準備を始めるのでその間お風呂にでも入って疲れを取ってきてください。」

「えっ。それは申し訳無いです。」

「お気になさらずどうぞ。浴室はこの部屋を出て右手のところにあります。」

そこまでお世話になるのは…でもここで断るのも。

「…分かりました。ありがとうございます。」

「はい。ごゆっくりどうぞ。」


「はー。きもちいいいぃぃい。」

お湯に浸かるの久しぶりすぎて気持ちいい。歩いてる時はそんなに疲れは感じなかったけどやっぱり疲れてたみたい。

「気持ちいいね。ファリス。」

「わん…」

ファリスもすごく気持ちいいみたい。もっと入っていたいけどそろそろ出ないと。

「…さて。ファリスそろそろ上がるよ。」

「わん…」

私はお風呂から上がると着替えの準備をする。

あっ…そういえば拭くもの無かった。バックあの部屋に置いて来たままだしどうしよう?うーん。流石にこのままは駄目だから魔術を使うか。そうしたらファリスと一緒の方がいいよね。

「ファリス乾かすからおいで。」

私がファリスを呼んだのと同時にドアがノックされた。

「エルピスさん着替えと拭くものが無いと思って持って来たし……た。」

私がその声に振り向くとドアを開けてファーレさんがこちらを見ていた。

「あっ。ちょうどよかった。ありがとうございます。」

私がそう言ってファーレさんに近づこうとするとファーレさんは何故かとても真っ赤になって

「すすすすすすすみませんでした‼」

と言って走り去ってしまった。

「どうしたんだろうね?」

「わん?」

読んで下さりありがとうございました。

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