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想いで  作者: 杏璃
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もう一人の過去~優真~

僕の声は小さいから誰も気づかない。でも、それでいい。それが楽だから。ずっとそう、思ってたけど違った。気づいて欲しくてたまらない。大翔、僕は君のおかげで変われたよ。

 

 大翔は親に捨てられてどんなに辛かったのかなぁ?僕の辛さとは比べものにならないくらい辛かっただろうなぁ。ごめん、大翔。きづいてあげられなくて

 前に禀に聞いたことはあってもあんなに深くは聞けなかった。

 というより今は、聞けなかったの方が正しいかもしれない。

 禀には、そのときの記憶がないから。

 親に捨てられたのは、しげさんや大翔から聞いて知っているが、本当はなにが起きたのを覚えていないらしい。それくらいショックだったのか。

 ここで、僕の話なんかしていいのかなぁ?でも、大翔が聞きたいって言ってるし

 でも、怖い。今までの友達みたいに同情とかされて一線置かれるかもしれない。そんなの嫌だ。大翔にそれだけはずっと、近くにいてほしい。

 でも、そんなの慣れてるのに何でだろう不安でたまらない。

 

 「ねぇ、大翔」

 「ん?」

 「あのさー、抱き締めててくれない?」

 「分かった。」

 

 この温もりが好きで、好きでたまらない。

  

  

 「あ、あの、嫌なら無理しなくてもいいからな」

 「大丈夫だよ、無理してないから!」

 「それならいいけど」

 

 話さなきゃ、大翔が待ってる。

 

 僕は過去について語り始めた。

 

 

 僕が産まれたのは、これから寒さの本番を迎えるかのように雪が静かに降る12がつ上旬。

 ママとパパが優しくまっすぐな子に育ってほしいって願ってつけられた『優真』の文字。

 小さいときによく言っていた。

 

 「なにが苦手でもいいの。それが、ゆーちゃんの個性なんだから。でも、優しい心をもって色々な人と関わっていれば苦手なことに直面したとき必ず助けてくれる人がいるから!ゆーちゃんは優しくて笑顔が可愛いからきっと出来るわ!そー思わない?パパも?」

 「あぁ、優真ならきっとそれができるさ!」

 

 僕がいつも「本当か?」と聞くとふたりは優しく抱き締めてくれた。

 僕は、二人から抱き締めてもらうのが好きでたまらなかった。

 

 

 

 でも、そんな大好きなパパもママももういない。

 僕が小学4年生のとき、どっちも事故で死んだ。 

 あまりにもいきなりすぎて状況についていけない僕は、泣くことさせ出来なかった。

 葬儀では、どこからともなく聞こえる声。

 

 『あの子どーするの?まだ、小学生でしょ?うちじゃ預かれないわよ。』

 『うちも預かれないわよ。』

 『親も親よねぇ、あんな小さい子残して死ぬなんてどうせなら・・・』

 『ちょっと、あんた言い過ぎよ』

 『なんでよ、そーじゃない?』

 

 聞こえてないとでも、思ってるのかなぁ?全部聞こえてるよ。

 悔しくて、憎くて・・・

 なんで?なんで、僕がそんなことを言われないと無いの?僕なにも悪いことしてない。パパもママも・・・

 僕は無意識のうちにその場から逃げていた。

 それでも、子どもの行動範囲なんて知れてる。一瞬で捕まった。

 そんな、日々のなかやっと、葬儀が終わり僕をどうするかの話し合いが始まった。

 

 なんで、あんなこと言うやつらのところに引き取られるの?僕そんなの嫌だ。

 でも、独り暮らしいなんて出来るわけない。

 結局、小学校から中1の間は親戚の家をたらい回しにされた。

 

 葬儀のとき、あんこと言っていたあいつらでも引きっても貰えるなら、それでいいと思った。

 でも、最後の言葉は必ず

 「うちじゃ面倒見きれない、よそにいって」

 結局はこれかよ。

 もう、行くとこねぇよってくらい追い出された。色々、諦めてパパとママが居るところに行きたいなぁ。

 と、思いながら公園のベンチに座っていたら、お爺さんが話しかけてきた。

 

 「よぉ、ぼうず」

 「あっ、あぁ、こんにちは」

 「お前なんでこんな時間にこんなとこいんだぁ?」

 「ちょっと、色々ありまして」

 

 あれ?この人どっかで?ここには、引き取り相手の家がこの街だって言うから、引っ越して来たんだ。だから、知ってる人なんているはずが・・・?

 

 「あのぉー、どっかで会ったことありましたっけ?」

 「覚えてねぇーのかい」

 「す、すいません。色々ありすぎまして。」

 「いや、俺がわりぃーんだあんなやつら信用してよぉー」

 「は、はい?なんのことでしょう?」

 「お前、優真じゃろ?」

 「えっ!?なんで、僕の名前?」

 「まぁ、無理もねぇーか。産まれて一回しかあってねぇーもんな。」

 「ん?」

 「おらぁー、未来みく、お前の母親の親父だ。」

 「えっ!?じゃー、おじいちゃん」

 「あぁ、そーだ。」

 

 そうか、見たことがあると思たのは葬儀のときに見かけていたのか

 

 「俺が始めからおめぇーのこと引き取ってやりゃーこんな寂しい思いさせねぇーですんだのにわりぃーな」

 「いや、だ、大丈夫です」

 「まず、家にいくか?くるまで、2時間はかかるから車の中で色々はなす」

 

 そういって、車に乗り込んだ。

 二時間もかかるところか僕のことが前、住んでいた街でも30分なのに。

 

 車の中ではなぜ僕が親戚じゅうをたらい回しにされたのかが分かった。

 あのやろー、「おじいちゃんたちは、今こんな子預かったら大変でしょ?育ち盛りだし、たがら、私たちがどうにかしますから」と言っていたらしい。

 あいつらなら言うな。外面ばっかりいいからな

 

 それから、三年の月日は流れ僕は中学3年生にまでなっていた。

 今まで、三年間楽しく過ごしてきた。今日もそんな日が続くのではないか、思いながら学校に行った。

 

 「じぃちゃん!学校行ってくる」

 「あぁ、いってこい」

 「いってきまーす!」

 

 じぃちゃんは、大工をやっている。でも、今は忙しい時期だから無理せず頑張ってほしいと思っていた最中のことだった。

 

 じぃちゃんの仕事場から学校に電話が来た。

 

 「よしとさんが倒れた。M病院に運ばれたから忙しいで」

 「じぃちゃんが、わ、わかりました。急いで行きます。」

 

 俺は、ダッシュで家に帰りさいふをもち病院に向かった。

 早く、早くしないと!

 

 病院につき急いで病室に向かった

 

 「じぃちゃん!大丈夫なの?」

 「あぁ、わりぃーな心配かけて」

 「うん、大丈夫。」

 「学校はどーした?」

 「じぃちゃんが倒れたって職場の人から電話が来て急いできたんだよ」

 

 そんな会話を交わし、いつもどうりのじぃちゃんであんして病室出て帰ろうとすると

 

 「じゃ、じぃちゃん!今日は、帰るね。看護婦さんとかに迷惑わけないないようにね」

 「あぁ、一人にしてわりぃーな」

 「大丈夫!大丈夫!また、明日」

 

 じぃちゃん、職場の人に話しかけられた。この人はじぃちゃんと仲がよく、よく家にくる。颯一郎そういちろうさんだ。

 

 「ちょっと優真くん、今いいかなぁ?」

 「あっ、はい?」

 「おじいちゃんのことで」

 「わかりました。」

 

 僕たちは近くにあったベンチに座った。

 

 「おじいちゃんのことビックリしたでしょ」

 「まぁ、多少は、でも歳ですし」

 「まぁ、そーだね。それでね」

 「はい?」

 「話しておかなきゃいけないことがあるんだ。善人さんから聞いた?」

 「いや、なにも?」

 「だよね・・・」

 

 嫌な予感がする。

 

 「善人さん、長くないんだって」

 「えっ!?なにいってるんですか?冗談とかこんなときにやめて下さい」

 「いや、嘘じゃないよ。本当なんだ」

 「えっ!?」

 「あと、三ヶ月。癌だって。」

 「だ、だって!あ、あんなに元気なのに!」

 「あぁ、本当は今までも何度かあったんだよでも、『優真には連絡入れるな。入院だけは嫌だって。』ずっと、拒み続けてねぇ」

 「もしかて、僕のことあるから」

 「多分、そーかもね。」

 「えっ、ただ、僕はじいちゃんの命削ってるだけの存在だったんですね」

 「いや、それは違うよ。優真くんがいるから善人さんがんばれたんじゃないかなぁ?」

 「えっ!?」

 「俺は、優真が独り立ちするまで死ねないんだ。って善人さんが」

 

 そんな、会話をして颯一郎さんとわかれた。

 

 なんで、じいちゃんが・・・

 

 それから、三ヶ月は早かった。日に日に痩せていくじいちゃんを見てるのは辛かった。でも、じいちゃんが死んじゃう方がもっと怖かった。辛いのはじいちゃんの方なのに。

 

 「今夜が山です」


 そんな切ない言葉をはっきりと言う先生を恨みたい。先生のせいじゃないのに。なのに、なにかに当たらないとやっていけない。

 

 病室には、僕とじいちゃん二人だけ、じいちゃんの眠っている。

 じいちゃんがゆっくり目を開けた。

 無理してでも笑って見せた。

 

 「じ、じいちゃんお、おはよう。」

 「あっ、あぁ」

 

 聞こえるか聞こえなかの小さな声

 

 「優真、また、たま一人にしてごめんな。」

 「だ、大丈夫。一人なれてるから!」

 「本当は泣き虫でさみしがやなの知ってるぞ。」

       『ゴホ、ゴッホ』

 「大丈夫?」

 「あぁ」

 「これからのことは、颯にたのであるだからあいつに頼れ。受験もあるだろうし、頑張れよ。俺は、先にお前の親のところに行ってあいつらを殴ってくるからな」

 「うん・・・」

 

 静かな夜の病室に空しく響くベッドサイドモニター。

 先生が来て手はつくてくれたけど、無理だった。

 

 葬儀には職場の人、たくさんの人が来てくれた。じいちゃんの葬儀ではたくさんの人が泣いてくた。

 それは、じいちゃんの慰霊の前で人目を気にせず泣いた。そして、その日はそこで寝た。

 

 色々してくれてたじいちゃん、これからはゆっくり過ごしてね。僕が迷惑かけてごめん。

 

 それから、高校に入るまで颯一郎さんの家で世話になった。すごく、優しくしてくれた。

 

 「高校になってもここから通えば・・・」

 「いいんです。もともと、決めてたんです高校になったら独り暮らしするってだから」

 「そうなんだだったら仕方ないね」

 

 

 

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