3-1-2 収納にまつわるお話。 //木工商人の無理難題(その2)
試しに見せてもらおうと思ったが、当然倉庫の中には花はない。
「今、ここでやれないか?花なら、外にあるが。」
「別に花がなくても出来ます。」
「花占いだろ?」
「確か、占いを開始すると”花が出てくる”ので、それを渡した時点で、その占い結果が脳裏に出る…だったかと。」
「花言葉とかとは関係ないのか?」
「あるのかもしれませんが、見たこともないものも出ますし、花じゃなくて、なぜか実が出たりしますので。」
とりあえず、商人に花占いをしてもらうことにした。
占うのは、当然私になるのだが。
ぽん
そんな音とともに出てきたのは、なぜか花ではなくて、葉っぱ。
商人は、その葉っぱを渡してくると、困惑した表情になっていた。
「占い結果は、”渡した相手に聞け”と来ましたが…。」
まぁ、そうなるだろうな。これは。
「これは、世界樹の葉っぱだ。」
「枯れてしまったのではないですか??」
「まぁ、そう見えるよな。実際は、どこかにあるのだろう。若木が。」
「すると、これはその葉っぱですか???」
「そうなる。」
目の色が変わる商人。
狙っているな。
しかし…
「これはやらんぞ。渡された私のものだし、返す必要があろう。」
「どうやって返すのですか?」
「木精霊に取りに来てもらう。」
「精霊?」
「そうだ。まぁ、交換条件になるが。」
「??」
精霊を召喚すると、私と商人を無視して木工製品の方へ飛んでいく様々な色調を持つ緑色をした”精霊”たち。
「なんだか、多くないですか?」
「当然だろう。世界樹は、木精霊の親に当たるものだぞ。母親の分身を迎えに来るのに単独では来ないだろう。」
「そんなにですか。」
「そもそも、花占い自体が木精霊系の魔法だぞ。」
「知りませんでした。」
精霊たちは、木工製品を一通り見るとこちらへ飛んできた。
一際大きい精霊が代表して私に尋ねる。
「このたびは、召喚して頂き感謝いたします。母なる先代世界樹が逝ってしまい意気消沈でしたが、次代の若木が育っていることを知り、今後に希望が持てるようになりました。」
「私にお礼は不要だ。汝らを召喚したのは、確かに私だが、世界樹の葉を召喚したのは、そこの男だ。花占いがユニークスキルとして所持している。花占いだぞ。」
「えっ!」
精霊たちがざわざわし始めた。
「そんなに驚くことですか?」
商人は、そういうことを言っている。
そのスキルがどういうものなのか分っていない証拠なのかもしれないが。
「では、あなた様にお聞きします。何かお望みのことがありますか?」
「その前に、なぜ花占いでここまで大騒ぎに成るのでしょうか?」
「お知りにならない…のですね。」
「ええ、恥ずかしながら。」
「花占いの中でも世界樹の葉を出せる方は、世界樹との召喚交信権を持っているということです。世界樹と対等で、かつ、世界に1人しか持つことが出来ないスキルになっています。」
「…、世の中には花占いと称している方達がいますが。」
「それは、花を出せないでしょう。」
「ええ、花を選んでもらって、それからと聞いています。」
「それは、花占いとは言いません。あえて言うなら、花呪いでしょうか。」
「呪い…。」
「ええ、占いと言いながら、行動を制限するものですので。精霊は関与していません。報告は入ってきます。当の本人たちからですが。」
納得したようなしていないような顔をしている。
「お望みのことがあれば、お聞かせください。」
3分割のお話の2番目です。
ええ、脱線して、戻れなくなりそうと思ったら、そうなりました。
ここまでお読み頂きありがとうございました。




