3-1-1 収納にまつわるお話。 //木工商人の無理難題(その1)
商人がやってきた。
依頼は、行商に行くのに商品が嵩むということらしい。
もっと手軽に行けないか?という話だ。
「どれくらいに手軽ならいいんだい?」
「身ひとつでくらいです。」
「ずいぶん要求が高くないか?」
「要求が高くないと、低い妥協案しか出てこないじゃないですか。始めは欲張らないと得る物が少ない。」
「らしいと言えば、らしいが。値引き交渉みたいな感じだな。」
「まさにその通り。」
「では、リュックとかの大きさで良いか?」
「何を言っているんですか、最大でも服に付いているポケットくらいですよ。できれば、体につけられるといいのですがね。」
おいおい、それは私自前で持っている”体内倉庫”のことかよ。
あれは、いわゆる特殊能力。別名は、ユニークスキルに属するものだぞ。
「いつまでにいる?」
「できるだけ早く。期限は…明日で。」
「本当に要求が高いな。」
「ええ、商人ですから。」
「商品の数と内容、移動する距離、持っている技術やスキルは?」
「そんなにたいしたことではないですよ。」
「それが分らないと作りようがない。」
「それもそうですね。では、私の店の倉庫に行きましょう。」
商人の倉庫に移動して見せられた量は…
「これ、全部か?」
「いえ、この倍くらいの量がありますね。」
見せられたのは、木工家具や木工装飾品などのかなり大きく重いものだった。
彼は、木工製品専門の商人だったらしい。
「欲張りだな。」
「ええ、これらは馬車で運ぶ際も大きく重いので大量に運べないのですよ。運ぶための費用もバカにならない上に、売却できない場合は二束三文で売ることに何度なったことか。」
まぁ、そんなことを言う理由も分る。大方、注文しておいてキャンセルしてしまう貴族連中にありがちな話だ。
二束三文で売り出された際に、人海戦術で購入。経費を浮かすのだろう。
「移動距離は、どれくらいだ?」
「なるべく遠く、時間は無制限で。」
「また、とんでもないことを。」
「商人ですから。」
「…。」
「技術やスキルは、一般的な商人が持ち合わせているスキルくらいですな。交渉や鑑定、指示・指導者などです。」
「ユニークはないのか?1つくらいは持っているだろう。」
「たいした物ではないですよ。」
「一応、何だ?」
「花占いです。」
「は?」
「ですから、花占いです。」
「ふむ。占い結果は、どうやって出てくる?」
「気にしたことがないので、分りませんし、そもそも数回やったっきりで忘れてしまいました。」
「何に使った?」
「あ~。プロポーズです。」
「…。そ、そう。」
気を引くためか?
そもそもユニークスキルなのか?
3分割のうちの1番目です。
基本的に設定に沿った執筆をするのですが、たまに暴走することがあり、今回のお話は暴走しています。
収納のお話から、精霊のお話へ。
脱線しまくっています。
独自に決めたルールというか、投稿平均字数(1000字前後)の関係から、3分割にしました。
それでも少し多めですが。
3話連続投稿となります。
ここまでお読み頂きありがとうございました。




