2-4-4 水の入手方法 //干ばつになった農地に雨を降らせろ!!(その4)
金庫屋のばあさんが何かに気が付いた。
「そう言えば、さっき、『私が作ればいい』とか聞いたのだけど?」
「よく記憶しているな。」
「金庫屋のばあさんだからな。記憶するのは、得意だ。」
「情報屋だろ。」
「それは、裏の仕事。」
「どこが裏なんだか。」
「話を逸らそうとしないで、死活問題なんだから。」
「え?野菜などは作れるんですか。」
「ええ、簡単ですが?」
「ぜひとも、それを教えてください。でも、今回のは間に合わないと思いますが。」
「条件さえ、整えれば、明日の朝には供給可能だし、魚と肉は、ちょっと時間がかかるけど、それでもいいなら。」
「ぜひ、お願いします。条件を聞かせてもらえれば、私たちの方でなんとかします。」
「ああ、今回は持ち前の材料で作るから、次回からでいいよ。魚と肉は…3日くらい待ってもらえないか。」
「それだけですか!待ちます待ちます。お願いします。」
感謝感激な表現をしながら、ステップしながら、他の魚屋や肉屋のギルドへ説明に行ってしまった。
「大丈夫かな?」
「さぁ、どうだろうね。」
「これから仕込み?ここで、のんびりしているのは、今後が大変なんじゃないかい。」
「さて、どうでしょう。」
「何か、特技が炸裂するんだね。」
「ええ、まぁ。あっと、そうだ。あの街の人が来ても、さっきのは話さないで下さい。」
「造脈線や星圧機のことだろ。」
「ええ、できればお願いします。」
「私は、情報屋だよ。タダで情報なんて渡さないよ。せいぜい吹っ掛けてやろうじゃないか。」
金庫屋ギルドは、口が固い人の集まりだが、今のギルド長は、このばあさんには逆らえないし、機嫌を損ねるようなことをしないと言われている。
過去に、何かあったのだろうけど、信頼一番のギルドの闇の長(?)が言うなら安心だ。
さて、こっちの仕事をしなければ。
とりあえず、我が家の地下を改造だな。
我が家は、街壁にくっついているのだが、安全上の問題があってもその辺は何も言わないのがいい。
地下構造物を、壁の外側にも配置していく。
ちょっとずるい手を使うけれど、あまり広くしても今後が面倒だから。
多段数に配置された棚に、様々な野菜などを栽培することになる。
野菜の種などは、この世界の植物を分析・品種改良するために多数持っていたのが幸いした形で、惜しげもなく撒いていく。
育てば、そこから取れる。
地下構造物は、球体で、直径は約10mくらい。
それを作るために、その場所にあった岩石・土砂などは、時の魔法を使うための資源にする。
時の魔法は、特殊な魔法だが、加速率と加速範囲で強弱を自由に発動できる場合もある。今回は、自前の魔力に過去からの知識、この世界でも使える技術…魔法による強制的な対消滅を動力に使っている。
この際だから、地上にも資源回収場所を作ってしまおう。
主な利用方法は、ゴミ捨て場としてだ。地上面から2m下の位置にシールドを張ることにしておこうか。
このシールドは、ゴミの腐敗臭や害虫などを防ぐ意味もあるし、これらを対消滅源としての原料となる。
今後も色々必要になるだろうからな。
球体内の時間加速率は、通常の約1,500倍に設定した。
約60日分が1時間に収まり、種まきから収穫までの時間がこれでなんとかなるはずだ。
野菜ごとに種まきと収穫を繰り返し行えば、かなりの種類・数量になると思うが、さてどうなるか。
収穫も一人でやる必要があるが、そこは魔法の指定回収でできる。
収穫時期の確認も鑑定の魔法でなんとかなる。スキルでやってもいいのだが、あれは大量生産には向かないしな。
収穫された野菜は、指定回収先として体内倉庫に直接入るようにした。
体内倉庫内は、時間経過がないので、収穫した野菜の鮮度は保たれるからだ。
これで、野菜などは大丈夫だな。一度、生産が始まれば、あとは自動で生産し続ける。
土などは使用せず、ほぼ完全な水耕栽培だからだ。
実際は、造脈線から延びる光線に固定されるばかりか水も栄養も供給される。
もちろん、要素が付加されているだけで、そのもの自体が流れている訳ではない。
まだ続くんだよ、これ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。




