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(分割前の)ダウングレード  作者: 空のかけら
番外編Ⅰ 超越者の発明品
23/31

2-2 水の入手方法 //冒険系統魔法 単一型(攻撃)

 落ち着きがない冒険者から言われた言葉。


 荷物は少なければ少ないほどいい。

 だが、水だけは確保しておかないと、死ぬ。

 しかし、水は重い。


 確かに水は重いが、ないと死んでしまう生き物には重要な他に代えがたい物。


 この冒険者。

 この水の確保と重さ軽減を要求してきた。

 念のため、使える技術を聞いてみれば、水魔法が使えるという。


 「水魔法が使えるなら、問題は解決…ではないんだな。」

 「当たり前だ。相談する意味がないではないか。」

 「確保と軽さの両方を求める理由は何だ?」

 「魔法である以上、攻撃に使いたい。」

 「…?」

 「分らないか。なぜ、みんな分らないような顔をするんだ。当然じゃないか。」

 「ああ、攻撃手段としての魔法をそれ以外の用途で使いたくないということか。」

 「当然だろ。」


 やっと分ってくれたと安堵しているようだが、これは深刻な問題だ。

 何しろ、水の入手方法に水魔法が使えないという水魔法使いがここにいる。


 「使える魔法は水だけか?火とか木とかは?」

 「何を言っている。水魔法だけで十分に決まっている。他の魔法など知らん。」

 「…鑑定しても良いか?」

 「いいが、適性は水だけだったはずだ。」

 「……、では、鑑定…。」


 言ったとおりだった。

 適性は水だけ。他は全てなし。

 ここまではっきりしている人も珍しい。

 魔力も多いようだが、なぜか流れがある。生体魔力ではないな、周囲の魔力の一部を自らに取り込み、また流しているようだ。

 これは、希有な事例だ…?


 「ちょっと聞いて良いか?」

 「おう、何か思い浮かんだか?」

 「今まで、水に困ったことはあるか?」

 「砂漠で水魔法で攻撃しようとしたら、周囲に()()()()()()()()が出たことがあった。砂漠でも水魔法が使えると思ったのだがな。ゆらゆらしているだけで、動かなかったので、久々に力ずくで魔物を倒してやったわ。」

 「何をやっているんですか。普通、砂漠で水魔法を使おうとする人などいませんよ。普通に飲み水を水魔法で出すのも大変なんですから。」

 「そうか?」


 常識を疑う人だな、この人は。

 しかし、揺らぎとは何だ?

 …もしかして、このおかしな流れはあれか?


 「ちょっと試してみたいことがある。良いか?」

 「なんだ?試す?」

 

 どの魔法がいいか、しばし思案したのちに使ったのは…


 「水牢。」


 言葉を発すると同時に発動する”水牢”という魔法。

 指定した場所に球体で水の満たされた場所を作る魔法。

 満たされた水の中に入れられた生物は水死する。即死ではないが。

 ただし、動きを拘束するなら、1割くらいの空気層を作って中に入れる。


 今回、依頼者にかけた水牢は、特別製で水牢の内部球体は水で満水。内部と外部の間の魔力伝導を下げてある。こうすると、水牢の外から魔力が入らない。

 水牢の大きさは、2m程。約4立方メートル。4t?(魔法世界と物理世界の重さが同じとは限らないため)

 

 水牢に入ったかと思うと即座に牢が破られる。


 「いきなり何をする!普通なら死んでるぞ。」


 破られたはずの水牢からは、水はなく、そもそも牢自体も消えている。

 消えた瞬間の状態を見ると、水は体内に消えていて、体内の魔力量が上がっていた。


 すなわち、水を魔力に転換した。しかも、かなりの転換スピード。


 「いや、実験だ。」

 「実験なら言ってからやってくれ。」

 「この実験は、不意打ちをしないと分らない。まぁ、依頼内容が履行できるとすれば、いいだろう。」

 「そりゃま、そうだが。」


 手の中で錬成した物を渡す。


 「ほら、これだ。」

 「単なる指輪に見えるが。」

 「指輪だ。」

 「これが何か?」

 「水が欲しいと念じてみろ。」

 「…。」


 指輪の付近から、バシャーという具合に水が流れ出した。


 「は?」


 水は、しばらくすると止まった。


 「水が湧き出る指輪か?」

 「違う。魔力を水に変えただけだ。」

 「こんなのは、どこにでもある属性変換じゃねぇか。こういうのじゃねぇ。もっと、こう…。」

 「この指輪は、おまえさんが無意識で引っ張る魔力の一部を指輪に環流させ、指輪と接触している皮膚上で魔力を水に転換させている。」

 「俺の魔力を使っていない?」

 「使っていない。」

 「攻撃魔法、全開まで使える?」

 「使える。」

 「砂漠でも大丈夫?」

 「攻撃系はやめとけ。普通に無理だ。」

 「水の確保は?砂漠で出来るのか?」

 「魔力がない場所など、この世界には存在しない。どこでも使えるし、量だけではなく温度も変更可能だ。」


 そういうと、両手をがっしり掴むと、


 「そういう物を欲していた。ありがとう。」

 「手を離せ、手が潰れる。」

 「おっと、すまん。」


 慌てて両手を離すと、


 「しかし、これ紛失が怖いな。」

 「大丈夫だ。フルカスタマイズ&所有者の呪いを付けておいた。私しか外れん。」

 「そうか、なら安心……。呪い??」

 「身から外れないようにするなら、呪っておくのが簡単だ。呪いの術者しか外れないのは、そのためだ。」

 「呪いの影響とかはないんだな。」

 「ない。ただ、注意しろ。お風呂で熱い湯に水を入れようとすると、コントロールがうまくいかないと、全身やけどか全身凍傷になる。」

 「コントロールをうまくいくようにすればいいんだろ。それくらいなら、お茶の子さいさいだ。」


 その後、冒険に戻った彼は、とある国の干ばつを救い、そこに定住したという。

 死後、彼の墓からは尽きることのない水が流れていたと言われている。


 「おかしい。死ねば魔力の環流も止まるはずなのだが。設計ミスか?」


 まあ、持ち主は死んでいるから、些細なことか。

水魔法を使えれば、旅先でも困らない。

普通はそうです。

でも、依頼者はあくまでも攻撃だけに使うという脳筋ならぬ 水ラブ。

…いい言葉?が思い浮かばないなぁ~


何はともあれ

ここまでお読み頂きありがとうございました。

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