+11 遺跡
家族と過ごしていた場所からかなり遠くへ移動した。
厳密には、違う魔法世界だ。
あの地には、思い出が多すぎるからでもある。
世界を渡った事で、私の中にあった家族の声も、もう聞こえない。
でも、家族は確かに私の中にいる。
とりあえずは、その思いとともに生きていこう。
大丈夫、家族を持てるほど、普通に生きられただから。
***
実は、全く普通に暮らしていないことなど知るよしもなかった。
彼が去った後の場所は、その世界で最も大きい建造物、星高塔であると同時に、その場所に行くのも難儀するとんでもない遺跡と化していた。
何の装備もなく近づこうとすれば、ワナに触る。
ワナを解除しつつ、その塔へ近づく。
ワナの多さや困難さから、その塔には金銀財宝があるとされており、その手のウワサは事欠かない。
しかし、100年経っても塔までは辿り着かなかった。
ウワサはウワサを呼び、塔を制した者は、永遠にこの世界の王となれると話が膨張した。
実際のところ、何もないのだが。
ウィルがここを去る時、居住部分その他を解体。体内倉庫に収納した結果、地下3000階、地上7000階までの間は空洞。すなわち単なる筒状の建物になっていた。
高さは、たったの100kmである。
ワナの仕掛け範囲は、最短で塔から1km、最長で10km。
自重しない超越者は、危険極まりないものを放置して世界を去って行った。
100kmの建造物は、倒壊する可能性を多大に秘めたまま、その世界に今もある。
倒壊すれば、世界は終わってしまうが。
とても短いです。
まぁ、説明回のようなものなので。
ここまでお読み頂きありがとうございました。




