+6 診断結果と触診の感想…
その後、魔力をかけ、不可視な上、触られている感覚がほとんどないはずの指。
無感覚点指圧をしていた。
なぜか、シーナの呼吸が激しくなっていたけれど、早く身体の触診を終わらせた。
汗だらけだったので、着替えたいとのことで、そのまま待っていようとしたら、シーナに部屋から追い出された。
部屋の外では、なぜか顔を真っ赤にした姉・ルナとその姉を不思議そうに見ている妹・リナがいた。
ルナの方は、何かのショックから立ち直れないようだったので、リナが聞いてきた。
「お母さんの病気、治るの?」
「うん、治るよ。触診した結果、病気の特定が出来た。」
「触診?」
「そうだよ。身体のどこに異常があるかを、身体全体を触って確かめるんだ。」
隣のルナが倒れた!
慌てて、部屋の中にいるシーナに扉ごしに言うと、扉が開いてこんなことを聞かれた。
「そんなに恥ずかしいこと、姉に言わないでください。」
「どこが恥ずかしいんだろう?」
「本気で言ってます?」
「病気の特定のために、必要不可欠なんだけど。」
そこで真顔に戻って、私が後から考えるととんでもないことを聞かれた。
「触った感触はどうでしたか?」
「患部以外のところは、すべすべで柔らかく、触診なのに気持ちが良かったです。途中、固い部分もありましたが?」
そう言うと、握りしめた両手を胸にどんどんと叩いてきた。
痛くないけれど。
すごく恥ずかしそうだ。
シーナは、この触診の感想で汗だく?になっていたし、ルナは固まったまま。リナは、自分で服の上から身体を触って、首を捻っている。
そんなドタバタが終了(ルナは、固まったまま疲れてしまったのか眠ってしまった。病気のシーナに代わり、私が横向きに持ち上げたところ、シーナからお姫様だっこという)して、姉妹の部屋に連れて行った。
ルナの着替えをするというので、部屋の中で終わるのを待とうとしたら、部屋から蹴り出された。
病気は、治ったのかもしれないな。
リナもルナと一緒に寝るね…と言ったことから、個体ではなく固体になった姉を心配したのだろう。
シーナの部屋に戻り、診察結果を言った。
「すると、あれが原因だったのですか。」
「そうです。魔眼異常です。」
魔眼とは、自分自身の目で周囲を認識するのではなく、自分の周囲を障害物なしに見えたり、任意の条件に合ったものを把握(危険察知)したり、相手にこちらの望むように行動(視線誘導や思考妨害、思考誘導など)させることができる能力である。
シーナは、この魔眼が異常状態になり、身体のあちこちに、その魔眼に魔力を供給するための専用回路が出来ていた。
通常、魔法を使う際に覚醒する回路は、汎用回路で特定の魔法に使えるものではない。
しかし、専用回路が汎用回路以外に出来てしまったことで、身体の衰弱が発生したのだった。
これを治療するのは…
この感想が、朴念仁から出てくるのは、こういう設定があるためです。
1 男性と女性の身体の違いだけの問題ではなく、互いの体感覚の感じ方は理解できない。
2 仮に前世が異性だとしても、身体の違いで、異性の意識は理解できない。
3 想像や雰囲気で相手の気持ちなどが分かったとしても、それは”分かった”というだけで”体感覚”とは別ものである。
4 ゆえに、異性間での体感覚の違いは、異性間で共有できない。
なお、性同一性障害というものがありますが、ここで言う体感覚は、自分の身体が対象で、障害とは関係なし。身体が女性で心が男性でも、身体に対する感覚なので。
極論を言えば、同性間でも体感覚は違いがあるため、他人であれば、互いの体感覚は違う。となる。
補足
著者自身、多くの病気を持っており、そのときの痛みや痺れを医師などに伝えるのですが、言葉にできないものを表現するのに苦労しています。
症状が出ているときの精神状態(異常時)とそうではない時の精神状態(平常時)では、明確な違いがあると思っているため、平常時に異常時の状態を把握するのは難しい。
自分自身でありながら、その状態で別々の意識があるかのよう…と考えてしまうのですが、どうでしょうか?
補足の部分も、小説に取り入れるかどうかは、検討中です。
著者自身の経験上のこともあるので、どうしたものかなぁ~と言う感じ。
無論、こんなことを書いた書籍などは、私は知りません。
あるのかもしれないけれど。
ここまでお読み頂きありがとうございました。