99.フェイント?
今日のアイテム回収リレーの結果はこれだ!
5階層 ポーション、鉄の剣、鉄の盾、ローブ、木の杖。
10階層 鋼鉄の剣、マジックポーション、マジックポーション、ポーション、鋼鉄の篭手
5回もアイテム回収を実行しても目的の物が一つも出なかった。
俺のリアルラックはとんでもなく低いのか?
最悪の場合は初回チャレンジ報酬みたいに初めだけ貰えるとか?
いやいや、オレの前に何人も挑戦しているからそれはないはずだ。
ないよね?
とにかく、回復アイテムは使えるから完全に無駄になってるいるわけじゃない。
うん前向きに考えよう。
明日だ明日。
そう明日に期待しよう。
「ソラ、目的のアイテムが全く手に入ってないぞ?」
ジン、そんなことは言われなくても俺が一番よく分かっているよ。
ここは主として余裕を見せておこう。
「そんなに簡単に手に入るとは思ってないよ。」
「ソラ、本当はちょっと焦ってるんだろ?」
ジンが疑わしそう目を細めて見てくる。
あっれ~、見え張らないほうが良かったかな。
「確かに1つも出ないとは思わなかったけど、まだ諦めるほど試したわけじゃない。とにかくもう少し試してから考えるよ。それより15階層を目指すぞ。」
戦闘だけでなく口論でも負ける前にジンとの話を切り上げて11階層へと進むことにした。
11階層からは5階層で戦ったゴブリンソードマン、ゴブリンアーチャー、ゴブリンマジシャン、シールドゴブリンの群が出てくる。
ギルドの情報では全く一緒というわけでなくよりレベルが高くなっているらしい。
「基本的には5階層と同じ戦い方で行くぞ。アーチャーの矢はオレが対処するからパッシーは牽制でジンの負担を減らしてくれ。」
この階層で驚いたのはジンの斧を剣で受けるゴブリンソードマンがいるのだ。
ただ剣ごと切られるか、弾き飛ばされるので全く意味はないのだがあの高速の斬撃に反応できるなんてジンの攻撃は直線的過ぎるのだろうか?
「ジン、さっきから何度もゴブリンソードマンに反応されているけどフェイントとかは使わないのか?」
ジンはそれを聞いて首を傾げて不思議そうな顔をしてる。
「ソラ、フェイントって何だ?」
もしかしてこっちの世界にはフェイントって概念無いの?
たしかにステータスやスキルが有ったら技術を身に着けるよりスキルを覚えたりレベルを上げることが重要になってくるのかな?
しかし、困ったぞ。
オレ格闘技なんてした経験がないから上手く説明できるかなぁ。
「フェイントってのは相手に攻撃を悟らせ辛くする技術だ。攻撃のタイミングをずらしたり、攻撃の挙動を小さくして攻撃動きを分からなくしたりするなんてのがあるらしい。」
ジンは手をポンっと叩いて
「つまり攻撃を避け辛くするんだな!」
全然違うけどこっちでも分かったときに手を叩くんだなぁ~。
っていうかあの説明で分かるジンはやっぱり戦闘の天才だな。
「さっそく試してみるぞ。」
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ジンは幻影LV1を獲得しました。
ジンは偽気配LV1を獲得しました。
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いや、ジンさんやフェイントは戦闘技術だからね。
それはフェイントに使える技術じゃなくてフェイントに使えるスキルじゃないのかね?
ちょっと意識しただけでスキルを覚えるジンの天才っぷりは羨ましいです。
なんでもすぐできるようになる人って羨ましいです。




