95.オークは弱いのか?
6階層からはギルドで聞いた情報通りオークが出て来た。
オークの顔はブタというより毛の薄いイノシシと言ったほうがしっくり来る。
ただ、毛の色は豚の毛の色に近い。
身長は170センチ前後とゴブリンに比べると30センチ近く高くもちろんその分リーチも長くなっているのが厄介な点の一つだ。
体つきは太って見えるが只太っているわけではなくその下には力士のように筋肉で覆われておりその腕力と体の頑強さはかなりの脅威だ。
実際オレの強化していない《必中の矢》では表面の肉に刺さるだけで筋肉には全く影響を与えていない。
その証拠にオークは矢が刺さったあとも動きに全く変化が見られなかった。
ポックルはゴブリンのときに使った頑丈な草による拘束では簡単に千切られてしまったのでツタによる拘束に切り替えて対応している。
ジンもあの贅肉の油と硬い筋肉が相手では多少手こずるだろうと思ったがそこは元鬼神の高い能力ゆえか全く手こずることは無かった。
なぜならオークは体が大きく頑強であるがその分ゴブリンに比べて機敏さを失っている。
そのためゴブリンソードマンですらマグレでしか反応できなかったジンの速さについてこれるはずの無く無防備に首を半分ほど切り裂かれて絶命していく。
首が吹き飛ばない分ゴブリンよりかなり頑強な証拠ではあるが首が半分も切り裂かれたらそんなことは全く関係ない。
オレもゴブリンマジシャンの使った《プログラム・物質化》と《プログラム・雷魔法》と《プログラム・強化》を《必中の矢》に付与する《必中の矢・電気針》を使うことで確実にオークを仕留めていく。
「ソラ、オークはダメだな。まださっきの剣を持ったゴブリンのほうが楽しかったぞ。」
せっかく新しい魔物との戦いと期待していた戦闘狂ことジンはオークにはご不満らしい。
「ゴブリンソードマンは11階層から出てくるらしいからそれまでオークで我慢してくれ。」
「ぬぬ、そしたら早く11階層に行くぞ!」
まぁ、戦った感じオークにもまだ余裕を持って対応できているから油断しなければ大丈夫だな。
「ゴブリンのときほどの速度では移動できないけど最短距離を進んで行くよ。」
地図アプリで現在位置と次の階層への転移魔方陣を確認しながらオレが先行して進んで行く。
その後の戦闘はこちらが先にオークを見つけてオレが《必中の矢・電気針》で先制した後生き残りがいれば、ジンがオークの全く反応できない圧倒的になスピードで首を刈っていく。
ポックルは足止めなどを行なっているがパッシーには出番がないな。
ゴブリンとほぼ変わらないスピードで攻略できるのに一度に出てくる数が少ないのでブレスなんて吐いてたら逆にジンの戦闘の妨げになってしまんだよな。
当のパッシーは戦わなくて良いと喜んでいるから問題はないけどね。
オークたちはゴブリンみたいに声を出して襲ってこないのでオレみたいに感知能力がないといつ襲われるか分からないので精神的に相当堪えるはずだ。
これだけ道が複数あると挟撃される恐れも十分あるからな。
ほんと《魔力感知》様々だな。
オークって鈍重なイメージがありますけど実際にいたらどうなんですかね?




