94.斬鉄剣?
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ジンの身体強化《雷》が身体強化《風雷》に変化しました。
ジンの魔闘気《雷》が魔闘気《風雷》に変化しました。
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扉を開けると同時にジンは身体強化《雷》にさらに風魔法を付与することで今まで異常に高速で走り出し左端のソードマンに接近する。
そのスピードはまさに疾風迅雷であった。
ジンはスピードを活かして一体づつゴブリンソードマンを倒して行くようだ。
ジンはゴブリンソードマンを間合いに捉えると力強く右足を踏み込み右手で腰に有る斧を掴み右の親指から膝・腰・肩・腕と流れるように力を連動させた渾身の振りをゴブリンソードマンに叩き込む。
驚いたことに運か実力かゴブリンソードマンが剣をジンの振りに合わせて来た。
ゴブリンソードマンの鉄の剣とジンの雷鬼の斧がぶつかり激しい火花が飛び散る。
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ジンは怪力LV1を獲得しました。
ジンは魔力刃が魔力刃《風雷》に変化しました。
ジンは魔闘気刃が魔闘気刃《風雷》に変化しました。
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そのまま受け止められるかと思ったが火花が飛び散ったのはほんの一瞬でジンの雷鬼の斧は鉄の剣ごとゴブリンソードマンの首を切り落としていた。
鉄をも切り裂くとはジンの一撃は凄まじいな。
さすが称号に元鬼神とあるだけのことはある。
このままだとすべてジンが倒してしまいかねないな。
(アルジ、デキタ)
オレがジンの戦闘に見ほれている間にポックルがシールドゴブリンの腕を植物で絡め捕っていた。
シールドゴブリンは腕に絡まった植物を引き千切ろうとしているが暫くは切れそうにない。
オレは慌てて呪文を唱え始めたゴブリンシャーマンの喉に《必中の矢》を放った。
《プログラム》の補助のお陰手で慌てていても問題なく矢は命中した。
ジンのような派手さはないが確実にゴブリンシャーマンの喉を潰せている。
なぜなら今回の《必中の矢》には《プログラム・物質化》を付与して《プログラム・条件》により刺さった瞬間ゴブリンの体内を無数のハリが貫きおまけに《プログラム・雷魔法》で電撃を与えるように改良している。
その証拠にゴブリンシャーマンは煙を上げながらバタバタと倒れている。
またもオレの攻撃はオーバーキルだったな。
《雷魔法》は必要なかったかも。
無防備に考え事しているように見えるがアーチャーが放った矢はパッシーがブレスで焼き払ってくれたし、ジンが身体強化《風雷》のスピードと魔闘気刃《風雷》の威力をもって鉄の装備ごとゴブリンどのを一撃で沈めていた。
そう、もうすでに戦いは終わっているのだ
いやこれは戦いではなく蹂躙劇と言っても間違いじゃないな。
「ソラ、こいつらなかなかだったな。オレの斧を一瞬受け止めた奴がいたぞ!」
ジン君。
たぶんそれはマグレですよ。
ゴブリンソードマンを課題評価し過ぎですよ。
まぁ、ジンがそれで満足ならそのまま勘違いしておけばいいか。
さてとこの部屋で手に入るアイテムはどこにあるのかなぁ~。
部屋のなかを見回すと少し離れたところに魔法陣らしき輝きが一瞬浮かび上がった後に宝箱が現れた。
「ソラ、いかにも怪しい宝箱が現れたぞ。」
確かにジンの言うとおり怪しいですが≪直感≫さんは大丈夫って言ってるからそのまま開けますか。
宝箱の中には白い紙に魔法陣が書かれたお札のようなものが入っていた。
さっそくアイテムボックスに入れて確認してみる。
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・護符
一度だけダメージを無効にする。
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ダメージ無効アイテムかこれは当たりだな。
しかも≪直感≫さんがいうにはまだアイテムが足りないが合成にも使えるとのことだ。
「ブヒブヒ」(この紙は一体何だったんだ?)
「一回だけダメージを無効にする護符らしい。」
「ブヒブヒ」(主は結界があるからいらないな。)
「まぁ、ちょっと考えてることがあるから当たりだよ。」
アイテムを回収したオレたちはもう用のない部屋からさっさと出て次の階層へ扉をくぐった。
斬鉄剣ってすごいんですよね?




