表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/246

83.男二人なんてお断りだ


ジンたちを今日もリーネさんに預かってもけてオレは一人でギルドにやって来た。


昨日はいなかったクマが今日はなぜか受付の椅子に座っている。


もういい加減受付に立つのはやめれば良いのに。


受付にいてもオレが来ないときには威圧を放ってるだけで何の生産性もないんだから、むしろ他人に迷惑をかけているので「百害あって一利なし」だな。


そうすればオレは何の気兼ねも無く美人受付嬢に手続きをしてもらえてオレの生産性もあがるんだけどな。


そんなことを脳内で考えながらクマに話しかける。


「クマ、さっさと貴族との会談なんて面倒ごとを終わらせようぜ。」


「おまえ絶対アントレ侯爵の前でその態度はやめろよな。」


クマが口をへの字にしたしかめっ面でそんなことを言ってくる。


クマじゃ在るまいしそんなことは当たり前だ。


「んなこたぁ分かってるよ。オレはそこまでバカじゃない。」


なんでクマなんかと二人で話ながら歩かなきゃならんのか。


貴族のところへ行くから使い魔たちを預かってもらったがポックルくらいは連れてくれば良かったな。


そうすればこのむさ苦しい状況も多少は軽減されたのに失敗した。


「なんだ、ソラしかめっ面なんかして。」


「いや、なんで一緒に行くのがミラさんじゃないのかなって思って。」


「そりゃ、アイツがいないとギルドの業務が止まるからな。」


真面目に返されてしまった。


それにやっぱりクマは要らない子だったんだな。


そう考えるとちょっとクマが哀れに思えて来る。


クマを慰める為に肩を軽く叩いて励ましてやった。


「おまえオレをかわいそうなヤツって思っているだろ、得意分野の違いなだけだからな。」


そうか自分で自分を慰めないとやっていけないほどなんだな。


そんなに追い詰められておりからギルドマスターなのに受付業務なんかにしがみ付いていたんだな。


ここは否定しないことがクマのためだろう。


「そうか、そういうことにしておいてやるよ。」


なおも自己弁護を続けるクマをそっとしておいてオレたちは貴族街にむかう。




貴族街の境にある門で身分証の提示を求められたのでギルドカードを出す。


しかし、騎士は全員貴族と一緒に逃げたと思ったけど何処にいたんだろか?


まさかもう戻ってきたのか?


それなら貴族も戻って来ているのか?


まさかアレントレ侯爵とやらも逃げたヤツなのか?


「クマ逃げた騎士や貴族って戻ってきているのか?」


「正確には分からんが戻って来てないはずだぞ。」


「じゃ、さっきの騎士とアントレ侯爵ってなんでこの街に居るんだ?」


「アントレ侯爵は今回のコックローチ騒動を治めるために王都から来られたんだ。騎士たちはその護衛だな。」


ここを管理していたのは逃げた貴族はだよな。


それじゃ貧乏くじを引かせれた可能性が高いな。


「じゃ、この街を管理しているのはアントレ侯爵ではないのか?」


「管理している貴族は別だな。アントレ侯爵は領地は持っていないが王城で重要な役職についている貴族の一人だな。この街の管理はエント子爵が担っていてそいつらが今回逃げ出した貴族だな。」


翌日にはこの街に来ていたってことは知らせを受けてすぐに来たんだろうな。


「ふ~ん、アントレ侯爵って少なくとも行動力はある人物だな。」


貧乏くじ引いて自棄を起して好き勝手することはなさそうだ。


「人格も良く有能な人物って話だぞ。」


無能より有能のほうが街にとっては良いことだけどオレにとってはどうなんだろ?


オレは人を見る目にも自身ないからな。


直接会って《直感》さんを頼りにするしかないか。


そんな話をしていると今の街では数少ない騎士がいる家が見えてきた。


おそらくあそこにアントレ侯爵が滞在しているのだろう。

やっぱり、一緒に歩くならおっさんより美女ですよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ