82.ルシアさんに報告
ルンルン気分で《運命の導き亭》へルシアさんに会う為にやって来た。
入口の木製の扉をノックするとすぐにルシアさんが顔を出してくれた。
あっれ~、なんかルシアさん怒ってらっしゃる?
「ソラさん。いままでどうしたんですか?私はソラさんが無事なのか心配でいつ来るのかと待っていたんですよ!!」
ルシアさんがオレを心配してくれてたなんて!なんて嬉しいんだ!
いろいろ理由はあるけど、これはどう考えてもオレが悪いな。
許してもらえるかどうか分からないけど、ここは素直に謝ろう。
「心配かけてすみません。そして来るのが遅くなってごめんなさい。」
頭を下げてチラッチラッとルシアの表情を盗み見る。
ルシアさんは腰に当てていた手を戻しすと大きく息を吐いて肩を落とした。。
「ソラさんが大丈夫なのは分かってますがそれでも実際に合わないと不安になりますから。今度からきちんと顔を見せに来てくださいね。」
はぁ、よかった。
許してくれたルシアさんの優しさに感謝。
次からはもっと相手がどんな思いをしているのか考えてから行動しよう。
「心配かけてすみませんでした。ルシアさんは何でも分かってると思って甘えてました。」
「分かって下さったならいいんですよ。」
あ、ルシアさんがやっと笑ってくれた。
「今日ギルドでギルドランクがDランクにあがりました。なので近いうちに迷宮に挑むつもりです。できる限り早く依頼の品を取ってきます。」
「街を救ったソラ様なら迷宮攻略も容易いかもしれませんが十分気を付けてください。ソラ様自身が一番大切なのですから。」
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やる気ポイントを50獲得しました。
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美人にここまで身を案じてもらえるなんて男冥利に尽きるな。
どうしてルシアさんがこんなにオレの身を案じてくれるのかは謎だけどね。
「ソラ様、本日は上がっていかれますか?」
美人のお誘い断りたくない。
けど≪直感≫さんが引き返せなくなると言ってます。
なぜだ≪直感≫さん!
何が引き返せないのか謎だ。
とりあえず保留で!
「迷宮を攻略するまで我慢します。」
「ふふ、そうですか、いつでもいらっしゃってくださいね。」
「はい、ありがとうございます。また来ます。」
夕食前に≪そよかぜ亭≫に戻るとジンたちも帰って来ていた。
「ソラが遅いから夕食が食べれないんだぞ!」
「ブヒブヒ」(主が一番最後だぞ)
(オソイ)
「ゴメン、待たせてしまったな。」
彼らにとって食事は死活問題に直結するからな。
使い魔との良好な関係のためにも別々に行動するときは十分気をつけておかないとな。
「それじゃエリナさんに食事を頼もうか。」
その日もまだギルド員が街に戻ってきていないのか宿はガラガラだった。
なのでまたエリナさんとエナちゃんを夕食に誘って一緒に食べた。
やはり美人と一緒に食べるとより食事がおいしく感じる。
もちろんお酒はなしにしておいた。
エリナさんに密着するチャンスだけど明日はアントレ侯爵に会いに行くからな。
明日もリーネさんにジンたちのことを頼まないと、近いうちにお礼もしないといけないな。
オレはルシアさんの家に上がりたいという方『評価』『ブクマ』をお願いします。




