79.美人受付嬢と初めての交流
いかにもお嬢様という感じのリーゼちゃんと別れて孤児院へとやって来た。
「ソラです。リーネさんいらっしゃいますか?」
声をかけるとすぐに人の気配がして扉が開いた。
「ソラさん、いらっしゃい。無事でよかったです。心配したんですよ。」
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美人に心配してもらえる日がオレにやってくるとは・・・・。
「心配をお掛けしてすみません。ご覧の通りオレたちはみんな無事です。」
ジン、パッシー、ポックルとそれぞれリーネさんに顔をみせる。
「それじゃ立ち話もなんですから中に入ってください。」
美人のお誘いを断るのは心苦しいがこの後ルシアさんの所とギルドに行かないといけない。
「お誘いは嬉しいのですがこのあとギルドにも行かないといけなのでオレは失礼します。それでまたジンたちを預けてもいいですか?」
リーネさんがちょっと寂しげな顔をする。
それは反則ですよリーネさん。
「そうですか、残念ですが仕方ないですね。もちろんジン君たちを預かるのはかまいませんよ。むしろ子供たちも喜ぶのでありがたいです。」
「ソラ、分かってると思うがオレが遊んでやってるんだぞ!」
「ブヒブヒ」(そうだそうだ)
「はいはい、分かってるよ。今日は子供たちの相手をしてやってくれ。それじゃリーネさん後をお願いします。」
オレはジンたちをリーネさんに預けてまずはギルドへと向かった。
ギルドへついたが今日はなぜかクマが受付カウンターにいない。
「おい、みんな『殲滅者』のソラさんが来たぞ。」
「ソラさん街を守ってくれてありがと。」
「逃げ出さなかったのはあんただけだ。」
「死骸処理の依頼助かったぜ。」
会う人会う人にお礼を言われ握手を求められた。
目立ちたくないけど、こんな風に感謝されるのは悪くないな。
「ソラさん、ギルドマスターが待ってますんで着いてきてください。」
美人受付嬢がオレを呼んでいる。
はじめての美人受付嬢との接触だ。
送れず着いて行かなくては!
「クマはなんでカウンターにいないんですか?」
あ、クマじゃ通じないか?
「ふふ、ギルドマスターは珍しく忙しいので執務室で仕事をしています。」
それにしても美人はやっぱり笑顔が一番だよな。
「やっぱり受付は仕事じゃなかったんですね。」
「平時にはギルドマスターの仕事ってないんですよ。」
「書類仕事がたくさんありそうですけど?」
美人受付嬢は複雑な顔になってしまった。
ギルドマスターって暇なのか?
「非常事態の時や貴族の相手をするとき以外の仕事はサブマスターが行なっているのよ。」
まぁ、クマは書類仕事しているイメージがわかないからな。
他の部屋と違って両開きになっている部屋の扉を美人受付嬢さんがノックする。
「ギルドマスター、ソラさんが来られました。」
「入って待ってくれ。」
中からクマの声がする。
「ソラさん、すみませんが私は受付の仕事があるのでここで失礼します。」
そういって美人受付嬢さんは戻って行った。
美人受付嬢と別れるのは辛いが着いていくわけにはいかないので仕方なくオレは扉を開けて中に入った。




