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63.美女がオレのものになる!?


男が民家の扉を開けて中に入るのに続いてオレも中に入る。


「オレの運命の美女はどこにいるんですか?!」


オレは居ても立っても居られず中に入ってすぐに男に美女の居所をたずねた。


「えらい必死だな。おまえは。お前の言っている美女といっしょか分からないが案内するからついて来い。」


そういって男は階段をあがって行く。


オレはソワソワしながら男の後ろをついていく。


2階には1部屋しかないようで扉の前で男がドアをノックする。


「ルシア様。例の男をつれてきました。」


ルシア様?


様付けされる人がいるってことはここは女性とキャッハウフフする場所じゃないのか?


それに例の男?


オレって別に有名人じゃないよな。


「中に入ってもらいなさい。」


男は扉を開けて中にはいるように顎をしゃくっている。


オレは戸惑いつつも中に美女がいるであろう部屋に入った。


女性は部屋の奥の椅子に座っているが光がそこまで届いておらず残念ながら姿はシルエットしか分からない。


だが間違いなく美人であると確信できる。


急にバタンと扉が閉まる音がした。


しかしオレは女性から目を離せない。


おそらく扉は男が閉めたのだろう。


女性は椅子から立ち上がりゆっくりと日の光が差し込んでいる場所まで歩いて来た。


そこには美の化身としかオレには言い表せない存在があらわになった。


日の光にキラキラと輝く腰まで伸びた金髪。


着ている衣服を突き破らんかの大きく形の良い胸。


無駄な肉など全く無いシュッと引き締まった腰。


スラッとした長い足。


強い意志さえも内包した美しく大きな瞳。


《冷静》さんのおかげで精神耐性があるはずなのに魅了にかかったかのように頭がボウっとしてしまう。


「ようこそ、いらっしゃいました。」


美女は微笑みを浮かべて出迎えてくれた。


オレはなんとか頭を再起動させて挨拶をする。


「初めましてソラといいます。」


「初めましてソラ様、私はルシアと申します。」


意識をしっかり持ってないとルシアさんの美声にやられてしまいそうだ。


オレにはどうしても確認しておかないといけないことがある。


「あの、ここはその女性と仲良くなるためのお店ではないのですか?」


「はい、建前上はそのようになっております。」


ガーン、信じたくない事実が確定した。


オレはあまりのショックに美人を前にして両膝と両手を床について項垂れてしまった。


「そんな、ここではキャッハウフフができないんですか・・・・。」


「えぇ~と、すいません。」


ルシアさんが困った顔をしながら謝ってくれた。


強いショクを受けたことは事実だが美人を困らせるとはなんたることだ。


オレは即座に立ち上がり《冷静》さんと《ポーカーフェイス》さんを全力で使用することでショックから無理矢理立ち直った。


「勝手に抱いた邪な希望が打砕かれて勝手にショックを受けて、情けない姿を見せてしまいすみませんでした。」


「私も適正のある人物を探すためとはいえだますようなことをしてしまいました。その上厚かましいのですがソラさんにお願いがあります。」


美人からのお願い。


ぜひとも叶えてあげたいがなんだろう。


「この街の近くにある《古代の迷宮》にあると言われる《エンシェントエルフの指輪》を手にいれてほしいのです。」


非常に悔しいが迷宮にはオレまだランク的に入れない。


それにもっと高ランクの人物に頼んだほうが確実なのになぜにオレに頼むんだろう?


それが適正のある人物ってことだろうか?


なんの適正なんだろう?


「できればルシアさんの願いは叶えたいのですがオレはまだギルドランクがEなので迷宮には入れません。なのですみませんが《古代の迷宮》にある《エンシェントエルフの指輪》を取ってこれません。もっと高ランクの方に頼まれたほうが確実と思いますよ。」


「理由はいろいろありますがこれはあなただから頼むのです。そしてこの願いを叶えてくれたら私は身も心もあなたに捧げます。」


へ?


今ルシアさんが変なことを言った気がする。


「ルシアさん今なにか変なことを言いませんでしたか?」


「特に変なことは言っていませんよ?」


ルシアさんは今も微笑んだままだ。


オレの聞き間違いか?


「確か身も心も捧げるって言いませんでしたか?」


「言いましたよ。それがどうかしましたか?」


あれ~?


オレがおかしいのか?


指輪を取ってくる報酬がルシアさん自身?


え?いいのか?


いや、オレにとってはすごくうれしいけど。


「え~と、つまり≪エンシェントエルフの指輪≫を持ってきたらオレはルシアさんをもらえるってこと。」


「はい、その通りです。」


ルシアさんそんなあっさり・・・。


この世界ではこれは当たり前なのか。


分からん。


こうなったら必殺先送りだ。


「と、とりあえず。報酬に関してはあとで話合うとして依頼はお受けします。ただまだ迷宮にすら入れませんので入れるようになったら一度連絡に来ます。」


「はい、ソラ様のご意思を尊重します。私はいつまでもお待ちしますから。」


「は、はい。ルシアさんを待たせないよう迅速に動きます!さっそく行動を開始します。」


今日は≪冷静≫さんと≪ポーカーフェイス≫さんが全く役に立たない。


「ソラ様。キャッハウフフはいいのですか?」


えぇ~、この店は建前だったんじゃないのか!?


いまならオレ、ルパ○ダイブができるかも。


いやダメだ、ここでキャッハウフフしたらそこで絶対満足してしまう。


≪直感≫さんもやめておけと言っている。


「いえ、キャッハウフフは依頼を達成してからお願いします。その代り両手を胸の前で組んで上目使いでお願いごとを言ってもらえませんか?」


キャハウフフはできなくてもこれはやってもらいたい。


美の化身のルシアさんがゆっくりと両手を胸の前で組んで・・・。


胸がすごいことになってる。


「ソラ様、エンシェントエルフの指輪を取ってきて私をもらってください。お願いします。」


ガハッ、オレに≪スキル≫がなければ今頃マンガみたいに鼻血をだしているはずだ。



****************

やる気ポイントを500獲得しました。

****************



「ありがとうございます。これで依頼は必ず達成できます。」




その後無事に宿まで帰れたがどうやって帰ったのか全く記憶にない。


今後オレの敵に美女が出てきたらと思うと怖いが・・・。


アレもしかしてルシアさんが傍にいれば解決する?


まぁ、コレはまた考えよう。


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