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61.羽を伸ばすのは大事ですよね?


「入っているのはこの前オレが持って来た肉ですか?」


お昼にリーネさんが作ってくれたのは大きな肉の入ったシチューだった。


「はい、おかげで食事が豪華にできました。子供たちも喜んでいます。」


この様子ならきっとリーネさんの好感度も上がっているはずだ


「みんなに喜んでもえらえたなら持って来たかいがありました。」


ジン、パッシーだけじゃなく子供たちも「にっく、にっく」言っている。


随分仲良くなったみたいだな。


ポックルは肉は食べないのでかわりに野菜ジュースを出してもらった。


「それではみなさん。大地の恵みに感謝して『いただきます』。」


「「「「「「「いただきます。」」」」」」」


こっちでも「いただきます」って言うのか。


オレも次から言うようにしよう。


スプーンで掬ってシチューを食べる。


「・・・おいしい。これだけおいしいなら飲食店をすればすぐに客がつきますよ。」


まぁ、子供たちの世話や教会の仕事もあるだろうから難しいとはおもうけど。


「ありがとうございます。ちなみにエリナさんの料理と比べてどうですか?」


今日はいやにエリナさんの話が出てくるな。


なんだろ≪直感≫さんがざわついている。


こんな反応は初めてだ。


これは慎重に言葉を選ばないといけない。


「甲乙つけがたいですね。もっと舌の肥えた人なら分かるかもしれませんがオレにはムリですね。」


「ふふ、そうですか。みんなお代わりもたくさんありますからね。」


「「「「「は~い」」」」」


よかった。


正しい返答ができたみたいだ。




リーネさんのおいしいシチューを食べ終えてオレは今個人的な用事を済ませに来ている。


この用事をすませるために歓楽街らしきところに来ているがさすがにまだ時間が早過ぎたようでどこの店も開いていない。


仕方ないのでこの近くにある酒場でなにか情報が聞けないかと思って酒を注文して飲んでいるんだがどうやって情報を集めれば良いか分からん。


ここは困ったときの地図アプリだな。


それにしてもこの地図アプリなんで歓楽街の情報まで乗っているんだ?


オレには必要だからありがたいんだけど、どうやって情報を入手しているんだろ?


異世界の風俗事情は分からないが調べてみるとけっこうな数のお店がある。


日本にも江戸時代には吉原なんて風俗一色の街があったくらいだし、異世界でも3大欲求は同じなんだろな。


生物としては当たり前か。




今オレは酒場を出て一つの店の前に立っている。


見た目は他の建物との違いがなく知らなければ普通の民家と思うだろうな。


オレも何度も地図アプリで確認したし、入ってみたら普通の民家だったらこの街にいられなくなっちゃうからな。


この《運命の導き亭》なるお店の地図アプリ上の謳い文句は『あなたの運命の美女が待っています』とのことオレに運命の美女なんていないと思うが、美女には会いたいと思いここにすることにした。


というか他の店の紹介が酷かったからな『病気が移ります』や『あなたのお眼鏡にかなう人は居ません』や『淡い希望をもつのはやめましょう』やら行く気が失せるものばかりだった。


だから、ここがダメなら諦めるしかない。


オレは意を決して店の扉を叩いた。


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