60.ついにリーネさんの手料理を食べる
「それでお見せする魔法についてですが簡単なキズを治す魔法が使えます。」
リーネさん魔法も使えるんですね。
美人で料理ができて、魔法が使えて尚且つシスターってなんかすごいな。
「それでは指をちょっと切るので治してみてもらっていいですか?」
オレはアイテムボックスからナイフを取り出す。
「いえ、報酬の支払うべき方にそんなことはさせられません。」
そういってリーネさんは懐からナイフを取り出した。
リーネさんの胸はりっぱだな~って、ちっが~う。
「リーネさん、なにをするつもりなんですか!」
「ソラさんに魔法を見せるのに私の指を切って治してみせます。」
そんなことされたらオレの罪悪感が半端なくなる。
それにリーネさんの柔肌を傷つけるなど神が許してもオレが許さん。
「ダメ、そんなのはダメです!」
リーネさんが行動を起す前にオレは自分の指をナイフで素早く切った。
自傷行為なんで今までしたことないうえに慌てて切った思った以上に深く切ってしまって血がドクドク出てきた。
「ソラさん!なにしてるんですか!すぐ見せてください。」
リーネさんが慌てた声をだしてオレの手を両手で持ってキズを見てくる。
リーネさんの顔も近いし、柔らかくて暖かいリーネさんの手の感覚がやばい
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やる気ポイントを100獲得しました。
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《冷静》さん《ポーカーフェイス》さんお仕事ですよ。
リーネさんは真剣な目をしながらオレのキズを確かめている。
「彼のキズを癒し給え『ヒール』」
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魔力解析をしました。
《プログラム》魔力有機物変化を獲得しました。
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「すごい、すっかりキズが塞がりました。ありがとうございます。」
うれしくて《冷静》さんも忘れて笑顔で返してしまった。
「ふふ、やっと役に立ててよかったです。」
リーネさんの笑顔がまぶしい。
いつまでもリーネさんに手を握っていてもらいたいがそうもいかない。
「報酬と約束していただいた魔道具と魔法をすべて見せていただけたのなら、そろそろ子供達のところへ戻りましょうか?」
「そうですね。今お見せできるのはすべてお見せしたので皆のところへ戻りましょう。」
子供たちが居る部屋に戻ってくるとみんな楽しそうに遊んでいた。
「ジン、パッシー、ポックル、そろそろ帰るぞ。」
「え~、まだ遊ぼうよ!」
「パッシーちゃんまだ遊びたいよね?」
「ポックルちゃんとまだ遊びたい!」
う~ん、もうしばらく3匹のお世話を頼もうか。
そうしたらリーネさんも報酬の件で気に病む必要が減るかな?
「それじゃ、今日は休みにするか。リーネさんもうしばらくこいつらのことを頼んでいいですか?」
オレは3匹がいない間に羽を伸ばすか。
「ええ、それは子供たちも喜ぶので構いませんがソラさんはどうされるのです。」
ええ~と、なんて答えたら良いのかな。
羽を伸ばしたいなんて言えないしな。
「ちょうど良い機会なので街の外で魔法の改良をしようかと。」
「もしお時間があるならもうすぐお昼なのでみんなで食事をしませんか?」
「「「「「さんせ~い」」」」」
美人の手料理を断る理由はないな。
「それじゃ、お言葉に甘えて。ご一緒します。」




