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59.好感度だけをあげるのは大変


リーネさんが探し出してくれた壊れてしまった魔道具のおかげで有用な≪プログラム≫が4つも増えた。


「リーネさんありがとうございます。とても参考になりました。」


「いえ、この程度のことで報酬の代わりになるのならいくらでも言ってください。」


リーネさんは両手をグッと握って力強く訴えた。


グハッ、リーネさんの容姿と仕草のギャップの破壊力がすごい。


≪冷静≫さんと≪ポーカーフェイス≫さんの力を借りてなんとか平静を保つことができた。


「それでしたら、壊れてて大丈夫なのでムリのない範囲でまた魔道具を見せてください。」


「はい。また、探して見つけておきます。」


「お願いします。」


「それで報酬の支払いなんですが、2カ月毎に銀貨一枚を金貨1枚分支払います。」


え!金貨1枚分ってことは16年8か月間ずっとリーネさんに会えるってことか。


美人と16年間ずっと会える、うふふ。


って違う、違う。


「リーネさん。無理のない範囲で良いのに金貨1枚分を払うって、いくら分割でも銀貨1枚を16年以上支払い続けるのは孤児院にとってかなりの負担になりますよね。」


美人と縁ができるのはうれしい。


けどリーネさんを16年も縛り付けるつもりはない


「いえ、ソラさん。これは私が支払うべき報酬ですので孤児院は関係ありません。」


それはなおさらダメじゃん。


なんとかリーネさんを説得しないと。


「そんなのダメです!せっかく足も元に戻ったのに16年もオレに縛られることはありません!ライトさんだっているんでしょう!」


この前ライトさんのことで凹んだのに自分で蒸し返して何してんだ。


《冷静》さん、ちゃんとお仕事して!オレはテンパッてんよ


「ライトさんは関係ありません。それに私は子供達のお手本にならなければいけないんです。それなのに自分を助けてくれた方に報酬を払わないなんてできません。」


そうか、子供の手本か。


正当な報酬をもらって尚且つリーネさんの負担を減らす方法は・・・。


「それじゃ、その魔道具を買い取ります。直せば使えるかもしれません。」


これならリーネさんの負担にならないだろ。


「ダメです。これは教会のものです。それに簡単に直せるものならもう直しています。」


「リーネさんもガンコですね。なら今後リーネさんが見つけた魔道具を買い取ります、これ以上は絶対譲りません。それもダメなら報酬は受け取りませんから。」


「ふう、そこまでソラさんがおっしゃるなら。()()な値段でお売りします。」


あれ、これだとリーネさんが一旦魔道具を買わないといけないのか。


よし、リーネさんに資金を預けておこう。


「それではコレは魔道具を調達するための資金です。」


オレは銀貨50枚入った袋をだす。


「ソラさん、さすがにそれは・・・。」


リーネさんが困った顔をする。


しかし、これは受け取ってもらわない困る。


「これは受け取ってもらわないと困ります。報酬を分割で支払うリーネさんに資金に余裕があるとは思えません。なのでオレが魔道具用の資金を出して確実に魔道具を手に入れてほしんです。」


「そうですね。残念ながら魔道具を調達する余裕は私にはありません。このお金は大切に使わせてもらいます。」


「適正な価格については手に入れた魔道具を見て考えましょう。」


価格については必殺棚上げで。


「そうですね。ところで先日頂いたお肉はいったいなんの肉だったんですか?いままで見たこともない高級な肉でしたよ。」


これは絶対にシラをきらないダメだ。


でないとまたお礼とか報酬とかの話になってしまう。


ただオレはリーネさんの好感度だけを上げてリーネさんに負担は増やしたくないのに。


「そうなんですか?オレも肉に詳しいわけじゃないんで分かりません。ただ、たくさんの肉が手に入ったのでみんなで分けようと思ってもってきたんですよ。お世話になってる宿でも喜んで貰えたんですよ。」


「ふ~ん、ソラさんが泊まっている宿って美人親子がやっているって有名な『そよかぜ亭』でしたよね。」


エリナさんとエナちゃんってやっぱり美人で有名だったんだね。


しかし、なぜ泊まってる宿を知っているんだ。


前の食事の時にジンにでも聞いたのか。


いや、それは構わないんだが、なぜ今オレにそれを確認するんだ。


悪いことしてないはずなのに悪いことをしている気がするのはなぜだ。


オレはただ美人と仲良くしたいだけなのだが・・・。


《冷静》さん《ポーカーフェイス》さん今度はちゃんと仕事してくださいね。


「ええ、そうですよ。この前ジンとパッシーがお世話になったときに話題になったんですか?」


「ええ、ジン君が料理がとてもおいしいって言ってました。」


お~い、ジン君や、食事をご馳走になっている家でよその食事がおいしいって話どうなの。


「すいません、あとでジンにはよく言っておきます。」


「あ、いいんですよ。同じくらいおいしいって御代わりまでしてくれてうれしかったので。」


もしかしてこの世界の美人はみんな料理がうまいのか?


「あいつらはよく食うでしょ。またお肉が大量にあるので2人の食べた分の補充においていきますよ。」


普通に言ったらリーネさんは受け取ってくれない。


ならば2人がここで食事した補填とすればどうだ。


「いえ、この前いただいたお肉で十分ですから。」


断られても焦ることはない。


リーネさんは子供たちを出せば断れないはずだ。


「あの2匹はまたここで遊んでもらったり、食事をいただいたりするかもしれません。それにここの子供たちにも必要でしょう?」


もしかしたらライトさんが十分な量をもってきてたりするのかな?


「それを言われると断れませんね。ありがたくいただきます。何から何までありがとうございます。」


受け取ってもらえそうで良かった。


「こちらもジンとパッシーの相手をしてもらって助かってます。」


きっとリーネさんの好感度がうなぎ上りのはずだ。


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