58.新しい≪プログラム≫
リザード狩りの翌日、オレたちは孤児院の前に来ている。
なんとなくオレはリーネさんに会いづらい。
オレ自身にはどうしようもできないので《冷静》さんと《ポーカーフェイス》さんに頑張ってもらおう。
「おはようございます。ソラです。誰かいませんか?」
「は~い。」
この前と違い今日はすぐに返事が返ってきた。
すると孤児院の扉が開いて出てきたのはなんとリーネさんだった。
会いづらいと思ってはいたけどそれでも美人の笑顔は何度見ても良いものだ。
リーネさんの笑顔を見ていると、オレが勝手に会いづらいと思っていたのがバカらしくなった。
笑顔一つでオレの気持ちを変えてくる。
さすがは美人シスターだ。
「ソラさん、よくいらっしゃいました。さぁどうぞ上がってください。」
リーネさんに促されてオレたちは孤児院の扉をくぐって中にはいる。
「「「「「ソラさん、こんにちは。」」」」」
「ソラさん、パッシーちゃんを貸して!」
「ポックルと遊んで良い?」
「ジンくんも遊ぼうぜ。」
オレよりも圧倒的に使い魔たちの人気が高い。
頑張ってオレもリーネさんの好感度をあげるぞ!
「ああ、帰るまで一緒に遊んでやってくれ。」
「ソラ、オレが遊んでやってるんだからな勘違いすんなよ。」
「ブヒ」(優しく頼むぞ)
(アソブ~)
3匹とも子供達に混じって遊びだした。
その様子をちょっとほっこりしながら眺めていると。
「みんな。ジン君やパッシーちゃん、ポックルちゃんのことが好きなんですよ。」
リーネさんが笑顔で教えてくれた。
「あいつらも楽しそうに遊んでいるのでありがたいです。」
「ソラさん、今日来てもらったのは報酬の魔道具を集めたのでお呼びしたんです。本来ならこちらから伺うべきなのですが長時間ここを空けるわけにもいかないのですみません」
「そんなことは気にしなくていいんですよ。それにジンたちも子供たちと遊べて喜んでいますから。」
「ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります。それでは魔道具を保管してある部屋に案内しますね。」
3匹を子供たちと一緒に残してリーネさんと一緒に部屋を出た。
リーネさんと二人っきり、二人っきり。
リーネさんに廊下の突き当たりの部屋に案内された。
そこはおそらく物置として利用されているようでさまざまなものが置いてある。
「ここにあるのはどれも壊れてしまってますが3つ魔道具がありました。」
おお、3つもあるのか。
リーネさんのことだから頑張って探してくれたんだろうな。
おかげで《プログラム≫が強化できる。
さてどんなものが手に入るか楽しみだ。
それではさっそく一つ手にとって見る。
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魔力物質化の魔道具を解析しました。
スキル≪プログラム≫に物質化を追加しました。
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「この魔道具はかつて魔力を消費して金属を作り出していたそうです。」
「これがもし使えたら鉱山がなくても困りませんね。」
「いえ、そう都合はよくないです。暫くすると魔力に戻って霧散するそうです。」
たしかに永遠に消えなかったら伝説の金属とか量産してそうだもんな。
となりの望遠鏡のような魔道具を手にとってみる。
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望遠の魔道具を解析しました。
スキル≪プログラム≫望遠を追加しました。
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「これは遠方のものが大きく見える魔道具と聞いています。」
見た目通りの効果を持った魔道具だった。
「これがあれば狩りの時に重宝しますね。」
「すいません、これも壊れているので・・・。」
リーネさんが申し訳ない顔をしている。
オレは魔道具が必要なわけじゃないから申し訳なくなるがスキルについては話すのはまだちょっとな。
「いえ、大丈夫ですよ。」
次にシンプルな首飾りを手に取ってみる。
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結界の魔道具を解析しました。
スキル≪プログラム≫に結界を追加しました。
スキル≪プログラム≫に条件が追加されました。
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おおお!!!コレはすごい効果だ!
「この首飾りは結界の効果があったそうです。」
「教会の偉い方が身に着けていたのかもしれませんね。」
想像以上に使えそうな≪プログラム≫が手に入った。
リーネさんありがとう。




