49.ソラは精霊樹の若木を手に入れた
「想像以上のとんでもない威力になっていたな。」
もし≪プログラム・風魔法≫と≪プログラム・ベクトル操作≫でエネルギーの拡散を防いでなかったら余波熱で森もオレ達も真っ黒焦げになっていたかもな。
最後も≪プログラム・ベクトル操作≫で方向を上空に反らしてなかったらいったいどこまで破壊して続けていたか分からない。
今後は使いどころをよく考えて使うようにしないと周りへの被害がとんでもないことになる。
「ソラ、さっきのヤツすげぇ威力だな。あとポックルもあのオオトカゲで一発でのすなんてすっげぇな。オレも絶対にいつか2人に勝つからな!」
大暴れできてテンションが上がっているのかジンの声が興奮して大きくなっている。
興奮してオレと戦うみたいなことを言ってるがオレは明らかにジンより弱いからな。
「いや、オレもポックルもおまえとは戦わないから、それにオレなんかが戦ったら一瞬で接近されて首チョンパだろが。オレは自殺願望なんて持ってないからな」
「ブヒブヒ」(死ぬかと思った~。)
パッシーも戻ってきた。
確かに今回はパッシーも頑張っていたな。
「パッシーもお疲れ。」
(ミンナ、ブジ、ヨカッタ。)
アレ、いつの間にかポケットにポックルが戻ってきていた。
「ポックルも最後は助かった。ありがとな。」
みんな無事だな。
よかった、よかった。
ただ問題もあったな。
さっきの戦闘でのジンの本気の戦闘をみると明らかに武器がジンの力についてないよな。
「ジン、さっきの戦闘での武器の調子はどうだった?」
「ソラ、もうこの斧はダメだ。さっきので刃こぼれができてひどい状態だ。」
だよな~。
オオトカゲにジンの腕力で無理矢理切っている感じだったからな。
「じゃあ、早急にジンの武器をなんとかしないとな。」
慌てなくてもすでに対応は考えてあるんですけどね。
≪直感≫さんのお仕事のおかげかなんとなくオオトカゲと子鬼の手斧と合成したら良いと感じるんだよ。
「ジンの斧に関しては当てがあるから、今はオオトカゲの回収とここいら周辺の薬草の採取をするぞ。」
各々別方向に向かって採取を始めてもらった。
30分ほどして再び全員が集まって採取したものを受け取った。
そんな中にいくつか変わったものがあった。
一つはジンが持ってきた魔力を帯びた小石。
もう一つはポックルが持ってきた魔力を内包した若木。
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・大精霊石の欠片
大精霊石の欠片。大精霊と契約できるかもしれない。
・精霊樹の若木
この世界のどこかにある世界樹と同じもの育つ可能性を秘めた若木
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なんかとんでもないものを手に入れたかも・・・。
ま、どこかで役に立つんだろ。
≪直感≫さんも持っていて危険を感じないし。
「それじゃ、必要なものは採取したしファルスに帰るぞ。」
「ソラ、早く帰ってメシにしようぜ!」
「ブヒブヒ」(メシメシ)
(ゴハン、タベレナイ)
「いや、まずは精霊草の納品だ。何か屋台で買うから我慢な。ポックルはスープかジュースを飲むか。」
「仕方ないなぁ。それなら少しはガマンしてもいいぞ。」
「ブヒブヒ」(仕方ないな)
(ジュース、ノム)
「それじゃ孤児院に向かうぞ。」
ポックルの植物魔法が帰りに非常に役立った。
森の草木がオレたちの進路から勝手に避けていくのだ。
モンスターには相変わらず遭遇するがそれでも行きの3分の2ほどの時間でフォルスの町に到着した。
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