45.オレたちも強くなったもんだ
翌朝もはや恒例となり遠慮がなくなったエナちゃんの膝蹴りをかわし、エリナさんと朝のあいさつという名のおしゃべりをしながらエリナさんのおいしい朝食を食べる。
毎日美人を眺められるなんて今までになく幸せだぁ。
エリナさんに昨日頼んでおいた昼食用のお弁当を受け取って街の南の森近くにやって来た。
「ソラ、どこにあるか分からない精霊草なんてどうやって探すんだ?」
「ブヒブヒ」(主まさか美人相手だからって安請け合いじゃないよな。)
「大丈夫だ。我に秘策あり!」
といいながらスマホを右手に持って空へかかげた。
ジンとパッシーは目を細めて『しら~』って文字が出てきそうな顔してくる。
全くこの2匹は・・・。
「はぁ、地図アプリに精霊の残留って表示されている場所が森の中にあるんだよ。いかにも精霊草と関係がありそうだろ?」
「おお、地図アプリは便利だよな。地図アプリは。ソラより断然役立つし信頼できるな。」
おお~い。
地図アプリが便利なのは間違いないけどオレをそこまでこけ下すなよ。
あれか、まだ、その姿で召還したのを怒ってる。
怒ってるね。
当たり前か。
「オレももっと役立つように頑張るよ。」
「おう、ソラも頑張れ。」
「ブヒブヒ」(精進だな。)
パッシーにだけは言われたくないので『バシッ』とデコピンしておいた。
「ブヒ~」(何でオレだけ~。)
「パッシーにだけは言われたくないわ!」
そんな言い合いも森のなかで行うわけもいかず。
静かに3人で森の中を精霊の残留を目指して歩いていく。
オレの≪魔力感知≫が敵を感知した。
「灰色狼が5匹来るぞ。《必中の矢5連射》で先制する。そのあとジンは突っ込んでくれ。パッシーはブレスでとどめ。」
「おう!」
「ブヒ!」(了解!)
「来るぞ」
茂みから灰色狼が出てきた瞬間オレは無限の弓から《必中の矢5連射》を放った。
2匹は眉間に刺さっておそらく即死。
2匹は足に刺さって動きが止まった。
1匹はあたる瞬間にすばやく身を翻した。
スキル《プログラム》で非常に使い勝手が良い《必中の矢》だがホントに必中なわけではない。
灰色狼のように身のこなしが俊敏なら当たる直前に身を翻すことでホーミングから逃れられる。
また、頑強な相手ならそもそも矢が聞かないなどいくつかの弱点がある。
だが前衛のジンが優秀だから問題ない。
ジンが身体強化を発動して矢を避けた灰色狼に一瞬で接近する。
灰色狼が反応する前に首を切り飛ばしていた。
今のジンなら灰色狼レベルでは瞬殺だ。
矢を受けた残りの2匹はパッシーが雷のブレスでショック死させていた。
まぁ、便利なスキルがたくさんあるおかげでこの程度のモンスターなら楽々倒せるぐらいには俺たちも戦闘経験を積んできている。
倒した灰色狼をアイテムボックスにいれて引き続き精霊の残留をめざして森の中を進んでいく。
灰色狼、ゴブリン、ブラックピッグ、オオトカゲなど今まで戦ったことのあるモンスターばかりでさして時間もかけずに倒して行く。
太陽が中天にさしかかるころ精霊の残留まであと少しまで来ていた。
時間的に昼が近いので一旦ここで昼休憩にすることにする。
「パッシー、ジン、ここで昼食にしよう。」
「やっと、昼飯か。ソラあの変わった飲み物飲もうぜ!」
「ブヒブヒ!」(主たまにはいいだろ)
そうだなお使いスキルも使わないとLVあがらないし、今はちょっとお金に余裕があるしいいかな。
「分かった。たまには良いか。」
「ソラ、話が分かるぜ!」
「ブヒブヒ」(さすが主だぜ)
初めて2人に褒められた気がするなぁ。
良いけどさ。
「じゃあ、パッシー1.5Lのコ○ラを頼む。」
手元から銀貨28枚が消えてアイテムボックスにコ○ラが増えた。
*******
パッシーの《お使い》がLV2になりました。
*******
エレナさんのお弁当とコ○ラを昼食に食べ始めた。
「エレナさんの弁当は相変わらずうまいけど、この飲み物も甘くてシュワシュワしてうまいなソラ『ゲプ』」
「ブヒブヒ」(おいしいけどゲップが出でしまうな。)
2匹とも上機嫌だな。
コ○ラが気に入ったみたいだ。
ちなみにコ○ラの効果は
*************
異界のコ○ラ
次元を超えた特殊なコ○ラ。
飲むと一時的に魔力が増える。
*************
である。
「なあソラさっきからじっと見られて飯が食いづらいんだけど。」
「ブヒブヒ」(主何とかしてくれよ。)
そうなんです。
さっきからジッとこっちを見つめる小型の生物?がいるんです。
敵意はないからほっておいたのですがどうしましょうか。
オレはオオカミに瞬殺されるって方は『感想』『評価』『レビュー』『ブクマ』をお願いします。




