37.ついにオレの力を示す時が来た!
エセ関西弁になってしまうくらいひどいネーミングセンスで名付けてしまった≪プログラム・必中の矢≫を放った。
無限の弓から放たれた矢が草むらの向こうに消えた。
草むらの向こうから矢が当たったのを知らせるように獣の鳴き声が響いてきた。
「よし、草むらの中に獲物を確認にいくぞ。」
仕留めた獲物を確認に行くと黒い毛のイノシシに似た動物がうずくまっていた。
オレたちに気が付いて矢が刺さったうしろ足を引きずって逃げようとしている。
しかし、もう逃げれないだろう。
ただ手負いの獣に近づくのは危ないため離れた場所から留めの矢をオレが放った。
眉間に刺さった矢は確実に命を刈り取り黒毛の獣は倒れて動かなくなった。
≪冷静≫さんのおかげか直接殺してないからかよく言われる生き物を殺す忌避感は全くなかった。
人型だとまた違うのかもしれない。
人型を戦うときは戸惑わないように注意しよう。
イノシシに似た黒毛の動物を魔力解析したあとアイテムボックスにしまった。
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ブラックピッグ
お肉が食べれる動物
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アイテムボックスはレベルを上げたおかげで解体機能が追加されていた。
おかげで講習で習った解体の知識を使うことを1度も使わなくて済んだ。
解体は事態はやりたくなかったけど、覚えた技術が必要なくなってなんとなく損した気分になった。
そんなことと繰り返すこと1時間ついにエスケープラビットを仕留めることに成功した。
「やっと当たりを引いたな。狩るのが大変な獲物だけど、さすがに探知範囲外から攻撃されれば逃げられないな。」
もし、気が付いて矢を交わそうとしてもそれに合わせて矢が追ってくるからエスケープラビットは逃げれないけどな。
オレにとってはエスケープラビットはもうキャントエスケープラビットといってもいいな。
仕留めたエスケープラビットを魔力解析してアイテムボックスに収納する。
エスケープラビットの魔力が分かればあとは簡単だ。
エスケープラビットの魔力を対象にした≪プログラム・必中の矢≫を5回ループする≪プログラム≫を実行する。
「いけ、≪プログラム・必中の矢ターゲットエスケープラビット×5≫」
無限の弓から連続して5本の矢が別々の方向に飛んでいく。
「おお、すげぇ。これだけで全部がエスケープラビットに当たるのか?」
「ブヒブヒ」(急に主が頼もしくなった。)
ジン、これだけでって見た目は矢を5本放っただけだけど、かなり複数の《プログラム》を同時に使ってるのよキミ。
まぁ、失礼なパッシーに比べればジンの感想は素直で分ましか。
放たれた矢は5つに枝分かれして50メートルほど先の草むらに飛び込むと、獣の鳴き声がそれぞれの方向から聞こえた。
バッチリ狙った獲物に命中したな。
「よし、仕留めたエスケープラビットを回収しにいくぞ。」
「ソラ、回収はいいけどオレ戦えなくて暇だぞ。」
「ブブヒ。」(オレは楽でいいな。)
パッシーは放置で問題ないけど若干ジンのイライラが溜まって来てるな。
戦闘経験を得るためにも後でゴブリンを探して戦うか。
「ジンもう少し我慢してくれ。この後でゴブリンを探して戦うから。」
「ム、分かったぞ。それなら早く回収してゴブリンを探すぞ。」
「それじゃ、急いで回収しよう。」
早足でエスケープラビットの回収に向かった。
はやく済ませてこれ以上ジンのご機嫌斜めにならないようにしないとな。
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