31.金髪の女神と赤髪の女神
「ソラさん、起きてくださ~い。」
「Zzzz、もう少し・・・。」
「ふふふ、起きないといたずらしますよ~。」
「Zzzzz、ヒッヒャ!」
耳元に息を吹きかけられ驚いて起きた。
え、ええぇ~!?ティリスさんがティリスさんがオレに息を息を吹きかけたぁ!?
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やる気ポイントを10獲得した。
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目を覚ますとそこにはティリスさんの美しい顔がこちらを見ていた。
近い、近いです。
《冷静》さん、《ポーカーフェイス》さんを仕事お願いします。
「もう、ティリスさん。いたずらはやめてくださいよ。それにティリスさんみたいな美人にこんなことをされたらオレ勘違いしちゃいますよ。」
頭をかきながらティリスさんの様子をうかがう。
しかし、わずかに届く焚き火の明かりてらされたティリスさんの顔はイタズラっぽい笑みを浮かべたままだ。
オレ、顔赤くなってないよな。
しばらくティリスさんの顔を眺めているとティリスさんがオレの前からどけてくれたので体を起した。
「ふふ、ちゃんと起きたみたいですね。それでは見張りをお願いします。」
そういってティリスさんは自分たちのテントに戻っていった。
ジンはオレの隣で毛布を足蹴にして寝ているがパッシーはオレのテントにいない。
・・・・考えちゃダメだ。考えちゃダメだ。
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やる気ポイントを50獲得しました。
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ダメだ、《冷静》さんが仕事を放棄しちゃってる。
パッシーはいつかオレがヤッてしますかもしれない。
ごめんな、パッシーでもオレの前で美人とイチャイチャすのがいけないんだ。
それにしてもやる気ポイントがインフレぎみな気がする、良いことなんだがけど。
怒りに任せてパッシーがいるであろう方を睨んでいるとレイナさんがテントから出てきるのが見えたのでオレも慌ててテントから出た。
焚き火の炎に照らされたレイナさんの横にオレも座る。
「ソラさん、あたいは索敵は得意じゃないからよろしくな。」
「はい、どうやらオレの索敵範囲は広いようなので任せてください。」
どんなことであれ美人に頼られるのはうれしいものだ。
ただ、戦闘ではオレの方があきらかに弱いけど。
今仕方がないけど、次会う時までに少なくても同レベルまで強くなる。
しかし、困ったレイナさんと楽しく会話したいけど何を話たらいいんだ。
オレのコミュ力の無さが恨めしい。
「ソラさんもあたいなんかよりもティリスと一緒に見張りをしたかったかもしれないけど、索敵能力が一番高いソラさんと一番低いあたいをいっしょにするのが妥当と判断したからなんだ。」
レイナさんはティリスさんに何か劣等感を抱いているのかな?
ここはレイナさんを持ち上げて好感度をあげるべし。
まぁ、といってもどうすればいいか分かんないから正直なことを言うだけだけど。
「レイナさんみたいなスラッとした美人と一緒に居られてオレはうれしいですよ。それにオレの索敵能力を褒めてくれてありがとうございます。」
恥ずぃ~。顔赤くなってないよな。
心拍音がメッチャ大きくなってる。
≪冷静≫さん《ポーカーフェイス》さんお願いします。
「美人っていうのはティリスみたいな女を言うんだよ。あたいなんてデカくて言葉使いも汚い女は美人なんかじゃいだろ。お世辞は良いよ。」
なにー、頑張って褒めたつもりなのにダメか。
もっと力説していかにレイナさんが美人か訴えないと。
「たしかにティリスさんも美人ですが、レイナさんも間違いなく美人です!鍛えられて引き締まった体で頭から足先までスラットしていて、女性の象徴もしっかり主張されてます。赤い長髪もキレイですし、口調も個性が出ていてレイナさんの魅力を上げています!もっと自身をもってください!」
あ、ヤバ力説し過ぎた。
「ふふ、ソラさんありがと。そうか、あたいは美人か。」
そう言ったレイナさんは焚き火の明かりのせいかとても魅力的な微笑みをしていた。
《冷静》さんがオーバーヒートしたのかオレも気恥ずかしくなって静かに2人で見張りをして過ごした。
おしゃべりの時間短かったけど、レイナさんとの距離が近づいた嬉しい一晩になった。
よく朝もティリスさんの極上の手作り料理に舌鼓を打ち。
辺境から離れたからかモンスターに出くわすこともなく目的地の《ファルス》に到着だ。
美人に息を吹くかけられたら死んでしまう方。『評価』『感想』『レビュー』『ブクマ』などをお願いします。




