30.料理上手の美人は反則
レイナさんと一緒に野営場所に帰ってくるとすでに野営の準備は完了していた。
え!ジンはどうしたかって、もちろん一緒だがオレの中ではいないことになっている。
食事の調理が終わっているのに匂いがしないことを不思議に思っていると
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魔力解析をしました。
≪プログラム・風魔法≫を作成しました。
≪プログラム・ベクトル操作≫を作成しました。
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どうやら風魔法で匂いを上空で細かく散らしているみたいだ。
獣対策だろうな。魔法はほんとにいろいろできるんだな。
オレもうまいこと使うようにいろいろ考えておこう。
レイナさんとオレもみんなが囲んでいるたき火の周りで空いている場所に座った。
「よし、野営の準備も終わったし、みんなあつまったからこれから食事にしよう。今回はギルドが食料を融通してくれてるから、ソラさん、リングさん、ジン君、パッシーも遠慮なく食べてくれ。ティリスの料理はめちゃくちゃうまいから期待してくれていいぞ。」
な・ん・だ・と、ティリスさんは美人でしかも料理がうまいとは恐れ入った。
「あまり期待し過ぎないでね。たしなむ程度ですから。」
ティリスさん謙遜してるけど、美人の料理にはどうしても期待値が上がってしまいます。
ジンとパッシーが待ちきれないのかそわそわし始めた。
「レイナあいさつはその位にしよ!パッシーちゃんが待ちきれないみたいだから早く食べよ!早く!」
レナちゃんはホントパッシーをよく見ているね。
おそらくレナちゃんも早く食べたいみたいだけど。
「分かった、分かった。それじゃ、みんな食べよう。」
レイナさんも分かっているのか笑いながら答えた。
みんながそれぞれ食事を食べ始めた。
ではオレもティリスさんが作った食事、いや手料理をいただこう。
「う、うま!」
「ブヒ!」(うまい!)
「うめぇ!」
「よかったわ~。みんなに気に入ってもらえたようですね。」
これは美味い。
この世界の宿屋での料理とは比べるまでもなく、元の世界の食事処と比べても勝るんじゃないかと思う。
「いや、いや。気に入るなんてレベルじゃありませんよ。すぐにでもお店を出せば長蛇の列ができますよ。」
「オレもそう思うぞ。」
「ブヒブヒ。」(んだんだ。)
うち食いしん坊使い魔2匹も同じ意見みたいだ。
「ふふ、ありがとう。うちの2人は慣れているのかそこまで絶賛してくれることはないので。とても新鮮でうれしいわ。」
ティリスさんがお礼を言いながら微笑んでくれた。
その微笑みだけでオレは何でもできるかもしれません。
いや、できます。
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やる気ポイントを10獲得しました。
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「あたい達はいつもティリスの料理には感謝してるよ。いつもありがとう。」
「そうだよ!私も感謝してるよ!ありがと!」
「2人とも分かっていますわ。」
3人ともホントに中が良い。
そういえばリングさんの反応ないな。
どうしたんだろ。
「リングさん。さっきから何も言ってませんけど。おいしですよね。」
リングさんを見ると黙って黙々と食事を食べ続けている。
「すいません。ソラさん。おいしい食事を集中して食べたいのでそっとしといてください。」
若干殺気がこもった声で返事があった。
「はい!すいません。」
「ぶひ~。」(こえ~)
「すげぇ、殺気だな。」
リングさんは使い魔2匹以上に食べるのに必死だった。
そんな調子で食事も食べ終えたので明日に備えて寝ることになった。
まあ、こんなところではすることは寝るくらいしかなから仕方ない。
「それじゃ、見張りの順番を決めるよ。前半はティリスとレナ、後半はあたいとソラさんで見張りをする。悪いけどソラさんの索敵は優秀だから。一緒に見張りを頼むよ。モンスターの相手はあたいがするから安心して大丈夫だから。」
「はい、大丈夫です。こんなオレで役に立てるなら喜んで!」
今度こそレイナさんとお話しするんだ。
絶対!
「ソラさん。そんなに張り切らなくて大丈夫だ。それじゃ、あたい達は先に寝るからティリス、レナ頼んだ。」
「「任せて。」」
「ソラさん、お願いがあるんだパッシーちゃんを貸して。」
レナちゃんが両手を合わせて頭を下げてきた。
レナちゃんのパッシーLOVEがとどまらないな。
「いいですよ。ただ起こさないように気を付けてね。」
いつの間にか寝ているパッシーを毛布にくるんで渡す。
「レナ、わたくしにもパッシーちゃんを触らせてね。」
「うん、順番ね。」
う、羨ましく・・、羨ましい。
そうしてパッシーに嫉妬しながら眠りについた。
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