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246.30年後

そして俺がこの世界に来て30年が経った。


ん?


皇帝はどうなったのかって?


もちろんきちんと憑き物は祓いましたよ。


ファンタジーによく出てくる悪魔とかが出てくるのかと思ったらただの魔物の残留思念が集まったもので光魔法で一瞬で消滅してしまった。


国力の落ちた帝国は遺跡の研究成果をノースエンド王国とグエン王国に引き渡すことで両国からの経済支援を受けて何とか持ち直した。


ただいくつかの地域での独立までは阻止できなかったようですけど。


その後は太陽の石を手に入れて竜の山脈で炎竜王の力を注いでもらった。


リューネが炎竜王の孫でちょっと殴り合うことになったが今となっては良い?思い出だ。


完全な世界樹を境界山脈の向こうにあった荒野に植えてゴブリン(笑)やオーク(笑)たちの国を作った。


ルシア、エリナ、エル、エレナとの結婚式を挙げて新婚旅行に行ったりプライベートワールドを改良したり、海を渡った先の大陸を観光したりいろいろあった30年だった。


ついでに神格化して不老になって人間を辞めてしまった。


現在俺の目の前にはこの世界に俺を送り込んだハゲおやじがいる。


相変わらずアニメのネクタイにベージュのスーツという恰好だ。


他のスーツやネクタイはないのだろうか?


おそらく神であろう存在なのに。


「お久しぶりです。流空さん。お約束の30年が経ったのでお迎えに上がりました。」


いやいやこのおっ、神様なに言ってんの?


確かに始めは日本に帰ることを考えていたけど妻もできた帰るつもりは全くないんですが。


検討違いも甚だしいぞ。


本当に神か。


俺をこの世界を送り出したときもそうだけど勝手なヤツだ。


「いや、俺は帰らないぞ?」


は、いやもう良いか。


ハゲおっさんの動きが止まった


「な、なぜです?この世界には漫画もアニメもゲームもネットもないんですよ!そろそろ禁断症状がでるころじゃないですか!私でも30年我慢するのはきついんですから!やせ我慢はいけませんよ。」


このハゲは何を言っているんだ?


禁断症状って、酒やたばこじゃあるまいし。


「いや、そんなことで禁断症状なんて出ませんよ。」


ハゲおっさんは今度は大口を開けて固まったぞ。


「そ、そんなバカな!私なんて三日も我慢できないのに・・・。そんなことよりも一緒に日本に帰っていただかないといけないんです。そうしないと三日どころでは済まなくなるんです!」


いや、知らんがな。


「そうは言ってもここには妻も仲間もいるのに放ってはおけません。」


「フッフッフッフ。」


な、なんだおっさん急に不気味な笑い声を出し始めたぞ。


「こうなったら実力行使です!」


おっさんが急に飛びかかって来た!


甘い!


最近ではジンとの模擬戦でも良い勝負ができるようになっているのだ。


余裕を持って避ける。


盛大にヘッドスライディングを決めるおっさん。


半泣きのおっさん。


「ソラ、困っているみたいだし。一度帰ってあげたら。ソラならまた転移魔法でコッチに来れるだろうし。もし無理でのプライベートワールドには来れるでしょ?」


確かに問題はなさそうだな?


「はぁ、分かりましたよ。」


「ほ、本当ですか!ありがとうございます!お礼とは言っては何ですが日本に帰ってもスキルや魔法を使えるように許可を出しておきますね。はぁ~、これで明日からもアニメが観られる!」


はやりこのおっさんは非常に残念な神様みたいだな。


こうして俺の異世界旅行は一旦終わりというとこになった。


結果としていつでも好きなときに世界間を行き来できるようになったわけで始まったとも言えるのだがそれはここで語るのはやめておこう。

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