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237.ドラゴン再び

魔物の大きな鳴き声に驚いて兵士達が騒ぎだす。


「静まれ!!」


王太子の声が当たり一面に響き渡った。


さざ波を広がるように広がっていたいた兵士達の混乱が声の波紋と共に収まった。


おそらく何らかのスキルを使用したのではないかと思う。


しかし、次の光景を見た兵士達は先ほどの混乱はただの囁きだったのではないかと言うほどの混沌の渦に包まれてしまった。


「城から大きな魔物が出てきたぞ!」


「グ、グリフォンだ!」


「ワイバーンもいるぞ!」


さすがにこの混乱は王太子でも治めるのは時間がかかりそうだ。


エレナさんの部隊はさすがに落ち着きを保っているが緊張感が顔にはっきりと表れていた。


城の上空に現れたのはドラゴンと5匹のワイバーンだ。


ドラゴンは竜燐・ブレス・複数の魔法・再生・耐性スキルなどを、ワイバーンはレベルは低いが竜鱗スキルを持っているのが分かる。


ワイバーンはブレスを持っていない代わりに火魔法のスキルを所持していた。


なぜか古代の迷宮の最下層で対峙したときほどの威圧感は全く感じない。


距離のせいなのか、俺が強くなったからなのか、そもそも今回のドラゴンが弱いからなのかは分からない。


「ソラ殿。頼めるか?」


王太子は血の気の引いた顔で俺を見ながら聞いてきた。


元からそのつもりである。


それに兵士達がこんな状態では一方的にドラゴンやワイバーンにやられるだろう。


唯一まともと言っても良いエレナの部隊も周りの兵士が邪魔で上手く立ち回れないであろうし。


俺は大きく頷いた。


しかし混乱した兵士達が邪魔で地上からドラゴンに近づくとこはできない。


仕方が無いので《光学迷彩》で姿を隠しながら《飛行魔法》で兵士の頭上を飛び越えた。


プライベートワールドからジン達を呼び出す。


見られたら説明が面倒なので後ろからは見えないように《光学迷彩》を施す。


ドラゴン討伐は俺とジンがメイン、メアが補助。


ワイバーンはゼンキ・ゴキとその子分たちがメイン、ポックル・ルシア・エルが補助で対応することにした。


先制攻撃はドラゴンに取られてしまった。


ドラゴンの魔力が急激に高まっている。


大きく開いたドラゴンの口腔に高まった魔力が収束し始めた。


「ブレスが来るぞ。俺が対処する、メアは時魔法を使って着弾までの時間を伸ばしてくれ!」


ドラゴンが大きく仰け反る。


いよいよブレスをが来る。


みんなは俺を信頼しているからか全くスピードを落とさずに駆け抜ける。


ブレスを真っ向から防ごうとしたら前回と同じように逸らすくらいしかできないだろう。


そうすると後ろにいる兵士たちに被害が出てしまう。


前回のドラゴン戦では出来なかった。


今の俺の魔力を持ってすればブレスをそのままお返しすることができるはずだ。


≪プログラム・空間魔法≫でブレスの進路とドラゴンの左下の空間を繋ぐ。


「あ、ヤベ。」


魔力の流れをドラゴンに感づかれてしまった。


俺と目線が合ったドラゴンが不意に後方へと視線が変えてそのままブレスを放ったのだ。

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