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233.4人目

「言いたいことはたくさんありますが嫌ではありませんよ。寧ろ嬉しいですよ。エレナさんのような美人とお近づきになれるのは。」


ただ4人目の妻・・・・。


これって大分問題有りだよな?


「そ、そうなのか?ソラ殿は私と婚約するのが嬉しいのか・・・・。」


なぜかエレナさんがトリップしてしまったようだ。


「ソラ殿もエリナ団長も乗り気なようで安心したぞ。」


いやいや安心っていろいろ問題があるでしょうよ王太子殿下!


「いや王太子殿下、私はすでに妻が3人もおりますしブラウン家に入るつもりはありませんよ。」


王太子はニコニコ笑いながら頷いているだけだ。


「ブラウン家に関しては問題ない。エレナ団長は幼い弟が大きくなるまでの代理でブラウン家の当主をやっておるだけだからソラ殿がブラウン家に入る必要はない。それにすでに3人も妻がいるのなら4人目も問題ないだろう。エレナ団長を第一婦人にしろなどと無茶なことは言わんぞ。」


なんでそんなにエレナさんを俺に引っ付けたがるんだ?


「正直に言おう。ソラ殿の力は脅威だ。もちろん私は誠意を持って接すれば誠意で返してくれる人物だと思っておる。それはエレナ団長が君を信頼していることからも分かる。しかし、他の貴族達はそうは思わないだろう。ソラ殿を取り込むか排除しようと行動するものもおるだろう。私はそんなことでソラ殿と敵対することは我々にとっては損失でしかない。エレナ団長と婚約してもらえれば貴族達も仲間意識ができて私の説得もし易くなると思うだよ。だから頼む。」


王太子の言いたいことは分かる。


プライベートワールドがあるので生活する場所には困らないし誰かに干渉されることもないので今更貴族なんかにチョッカイ出されてもどうとでもできるけど面倒なのは確かだな。


「確かにそれは面倒そうな話だけどそんな理由で婚約なんてエレナさんは嫌じゃないの?」


「貴族なのだ、本人が望まない婚約など普通だ。それにエリナ団長の様子を見るに問題はなさそうだが?」


確かに俺の目から見ても嫌がっているようには見えないな。


ただ俺への好意なのか結婚への願望なのかは分からないけど・・・・。


「エリナ団長!エリナ団長!」


「・・・は?は!」


王太子の呼びかけで現実にエリナさんが戻ってきた。


「エリナ団長は婚約に異存はないな?」


「は!謹んでお受けします。」


そんなあっさり受けても大丈夫なのだろうか?


「それではソラ殿、女神の涙を取り戻すためにも王都奪還に協力を頼む。詳しい話はまた明日にしよう。それでは私は失礼するよ。」


王太子は俺とエレナさんを置いて退出してしまった。


しかも、さらっと王都奪還を協力することにしているよ。


女神の涙を手に入れるには必要なことではあるんだけど。


エレナさんは未だにボーっとしているように見えるのは気のせい。


「エレナさん?」


「・・・・な、何かなソラ殿。」


エレナさんの動きがぎこちないのは気にしないでおこう。


それにしてもあれだけアプローチしても余裕のあるお姉さんのような感じだったのにこの変化は一体なんなんだ?


もしかして俺からのアプローチとして認識されてなかった?


「エレナさんは俺なんかと婚約して良かったのですか?俺はブラウン家には入りませんよ。」


「も、もちろんだ。エル王女と結婚しているソラ殿を婿に迎えようとは思わん。私には弟がいるので後一年、いや半年もすれば当主を譲ることができるから大丈夫だ。」


いや、そんなに焦らなくても・・・。


でも、すでに俺には妻が複数いて自分は行き遅れと思っていたら焦るのは当たり前か。


「分かりませした。半年後を楽しみに待っています。」


「た、楽しみか、うんうん分かった。」


焦るエレナさんに気の利いた言葉は言えなかったがエレナさんの反応を見る限り及第点のことは言えたかな。

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