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232.王太子帰還

俺が外壁の門に着いたとき兵士は俺が何か忘れ物でもしたのかと笑っていたのが「へ?は?ええ?エ、エリック様!?」と言いながら王太子の顔を3度見くらいしたのが印象的だった。


そりゃ驚くよな。


街を出て4日も経たないうちに帰ってきたから何か忘れてバカだなぁって思っていたら王太子が一緒にいるんだもの。


おそらくこの兵士もまさか王太子を救出できるとは考えてなかったのかもしれない。


王太子を救出した俺を見てレイドが謝ってきた。


俺は特に気にしていなかったので素直に謝罪を受け入れた。


自分の非を直ぐに認めるなんて俺にはできそうにないのでレイドは俺なんかより数段できる男だ。


「ソラ殿この度は助けていただいて感謝している。」


王太子が俺に向かって深々と頭を下げた。


俺と王太子は身分的な差はないようなので頭を下げることに抵抗はないのだろう。


「王太子殿下、俺にも考えがあってのことですから気にしないでください。」


「そうであったとしても感謝している。」


姿勢を戻して王太子は俺の顔を真っ直ぐに見る。


「それで女神の涙がほしいとのことだったな。」


「はい。」


王太子の言葉に俺は深く頷きながら答える。


「今回の礼として与えるのは構わないのだが一つだけ条件がある。」


さすがにチョッチョッと王太子を助けただけで国宝の宝石がもらえるわけないか。


むしろ条件付きで貰えるとは王太子の懐が広いのか俺へ恩を売っておきたいのか・・・。


へ、俺への恩って自意識過剰じゃないかって?


そんなことないぞ、転移魔法やら飛行魔法にいろいろ重要な魔法を使えるからな。


「王太子殿下を無事に救出しただけでも十分な功績です!これ以上の働きを求めるのはどうかと思います。」


「まぁ、待て。私の話を最後まで聞いてから判断してほしい。」


王太子は手でエレナさんを制止しながら言葉を発した。


「条件というのは?」


俺の行動を束縛するような条件でなければ女神の涙を入手する為なら何でもするつもりだがノースエンド王国の貴族になれとかなら対策を考えないとな。


「うん、エレナ・ブラウンと婚約してほしいんだよ。」


・・・・・。


へ?


それは報酬が増えている気がするんですが・・・。


「ちょ、ちょっと待ってください。殿下、現在私はブラウン家を預かっている身です。嫁に行くことはできません。ソラ殿にしてもすでにエル王女と婚約しているのにブラウン家に来てもらうわけにはいきません。

それに私のような勝気で行き遅れの女などソラ殿も迷惑でしょう。」


エレナさんは顔を真っ赤にしながら慌てている。


非常に可愛らしい。


日ごろのキリっとした表情も良いけどね。


俺がブラウン家に入るのは無しだな。


でもエレナさんは全く行き遅れではないし、勝気なのかは分からないけどそれもまた魅力の一つだろう。


「そうなのか?ソラ殿はかなり前向きなようだが?」


あれ?


もしかして顔に出てた?


≪セルフコントロール≫さんが仕事放棄したかな?


「え!?」


エレナさんが期待の籠った目を俺に向けてきた。

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