226.アントレ侯爵に配慮?
「我が主はケッタイなことをするとは思っていたけど今回はまた今まで以上に不可解なことになっておるのぉ。」
うん、俺もそう思うよメア。
ゴブリンキングとオークキングがジンの眷属になったのは分かる。
ジンのあまりの強さにビビったから戦い続けるよりも降ったほうが良いと思ったからだろう。
ゴブリンやオークは最上位種であるキングの眷属になったのも理解できる。
しかし何でデフォルメされたんだろうなぁ。
元の姿のままだったら近くにいてほしくなかったから良いけど。
「ジンが眷属化したらこうなったんだ。俺にも良く分からん。」
「コラ、どう考えてもソラが原因だろ。眷属化のメッセージはソラが受け取ったんだろ?俺はそんなのは全く受け取ってないんだからな。」
アレ?
でもジンの眷属なんだよな?
さっぱり分からんな。
特に問題はないから良いか。
「可愛らしくて良いんじゃないか?」
「そうね、この格好ならエナちゃんもリーネちゃんも平気だろう。」
え、こいつらプライベートルームに連れいていくの?
別に嫌なわけじゃないけどな。
「ジン、こいつらの扱いはどうするんだ?」
「う~ん、とりあえず魔物でも狩って修行?」
この人数だぞ。
どこでだよ!?
「あ、古代の迷宮のリザードエリアならいけるか。」
「おお、あそこならコイツラの丁度いいな。」
あそこなら他の冒険者は来れないから迷惑にもならないだろう。
「何不穏な相談してんだよ。」
不穏とは失敬な!
相変わらず失礼なクマだ。
「なんだよクマ。街を襲っていた魔物の対処なら終わったぞ。」
「おお、助かったぜ。お前らが来てくれたおかげで怪我人はでたが死者は出なかった。あれだけの魔物に囲まれた時にはこの街はもうダメだと思ったんだがな。」
まぁ全部で二千匹はいたと思うからな。
コックローチのときは数が5倍近くいたけどほとんど俺の魔法で倒した上にゴブリンよりはるかに弱いからな。
「ソラ様~!」
「待つんじゃ!リーゼ!」
「ナイスです!お嬢様!」
魔力感知でアントレ侯爵やリーゼちゃんがこちらに来ていたのは分かっていたがこんなのはちょっと予想してなかったな。
いやだってリーゼちゃんが俺に向かって飛び込んでいるんですよ。
それにしてもリーゼちゃんはなかなかのジャンプ力の持ち主のようです。
さてどうしよう。
普通なら両手を広げてキャッチすれば良いのだけどリーゼちゃんの後ろで走っているアントレ侯爵の表情がヤバイ。
アンさんなんて『ナイス』って言いながらガッツポーズしてますからね。
もうアンさんはリーゼちゃんを煽っているのを全く隠す気はないようです。
折角魔物が討伐できたのだからアントレ侯爵に新たな心配ごとを増やさないように対処しよう。
俺は《プロブラム・飛行魔法》をリーゼちゃんに施した。
「え?あら?」
宙に浮いていたリーゼちゃんは俺にぶつかることなくゆっくりと地面に降り立った。
「リーゼ様。危ないですから急に人に飛びかかったらダメですよ。」
「ソラ様、そこは両手で受け止めてくださいませんと。」
リーゼちゃんがムっとした顔で抗議の声を上げるけどアントレ侯爵の心情を考えるとそんなことはできない。
俺がリーゼちゃんを抱きとめなかったので安心したのかアントレ侯爵はニコニコ顔で歩み寄ってきた。
「ソラ殿。またもやフォルスを救ってくださってありがとう。リーゼとのことは置いておいて礼を言う。」
アントレ侯爵の親バカはちょっとは落ち着いたのか?
「オークキングとゴブリンキングが同時に現われるなんて災難でしたね。」
「ああ、それは・・・。ここで話すわけには行かんのでギルド長と共に屋敷まで来てもらえんか?」




