220.圧殺
街の上空から魔物を挟撃するためにも街から少し離れた南側へ降り立った。
街の周りにいる魔物はゴブリンとオークの混成集団だった。
違う種族のゴブリンとオークが一緒にいるなんて今までみたことないけどそんなことってあるのかな?
コックローチならグエン王国みたいにローガ帝国の関与を疑うのだけど・・・・。
考えても分からん。
今はこの魔物の大群を駆除するのが先決だ。
魔物の注意を街からこっちに向けるためにも大きな音が発生する《爆弾》を大量に増えた魔力を使って次々に生成しては魔物の群れに放り込む。
爆発するたびに10匹以上の魔物が吹き飛び、爆発により飛散した金属片が突き刺さりさらに周りにいるゴブリンやオークがダメージを受ける。
飛散した金属片を受けただけでは倒しきれていないゴブリンとオークを《機関銃》でトドメを刺して回る。
比較的上位種が少ないのか《爆弾》だけでゴブリンとオークの死体の山が気付き上げられていく。
ゴブリンもオークも弱いけど数が多い。
右はゴブリン、左にオークと倒しても倒して沸いてくる。
まるでGだな。
面倒だなぁ~。
・・・そうだ!
ここはダンジョンじゃないんだから態々地面を歩かなくてもいいよな。
うん、空爆をしよう!
なんて良いアイディアだ。
さっそく《プログラム・飛行魔法》で上空に浮かぶ。
ふっふっふ、まるでゴミのようだ・・・・。
ゴブリンとオークだからゴミで良いのかも。
さぁ、吹き飛びなさい。
『ヒュン』
「あっぶな!誰だ!」
俺が矢が飛んできたほうに目を向けるとそこには街の外壁の上で弓を引き絞った兵士がこっちを向いて並んでいた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ったぁ!。」
「今だ!撃てぇ!」
仲間に殺されちゃ溜まらん。
俺は転移で弓を引き絞っている兵士の後ろへ移動した。
「何処へ行った!」
「待てと言っとろうが!『バコン』」
弓兵を指揮していたクマをド突き倒してやった。
「イッテ~なぁ。お!ソラじゃねぇか?」
「『ソラじゃねぇか?』じゃねぇ!俺を殺す気か!?」
ひさしぶりに会ったクマは相変わらずいい加減だ。
「いや、だってよ。あんなところに味方がいるとは思わんだろ?だから魔物の上位種が現われたと思ったわけよ。いや~、悪い悪い。」
頭を手でかきながら微塵も悪いと思ってなさそうにしてやがる。
「確かに先に一言伝えるべきだったよ。とにかく俺達のメンバーが四方の城壁に応援に行ったからよろしくな。」
「おう、英雄様一行が来たならあっと言う間に魔物を相当できるな。みんな英雄様が帰って来たぞ!もう一分張りだ!」
「「「「おう!!」」」」
あまりの大音量に耳がキンキンする。
「それで周りの地形が変わっても良いなら一気に片付けるけどどうする?」
俺の魔法を一回見ているクマは難しい顔をして考え込んでいる。
「みんなの疲れも出始めたから被害が大きくなる前にケリを付けたいが地形が変わるってどのくらいだ?」
「魔物がいる一帯の地面や物が押し潰れれるかな。」
特に建物もないし貴重な植物もないから後で魔法で地面をならせばほぼ元に戻せると思うけどな。
「分かった。それなら一気に片付けてれ。」
「任された。」
玄武と戦ったときに思ったんだよな。
難しい理屈は抜きに重たいってそれだけで凶器になるってな。
アイテムボックスから玄武に撃ち込んだ金属の塊を取り出す。
しかしこれだけではゴブリンやオークを殲滅するには足りない。
《プログラム・物質化》によってさらに大きな金属へと成長させていく。
「おいおい、ソラよ。前回も大概だったけど今回はそんなドデカイものを作ってどうすんだよ。」
「こうするんだよ。」
おれは外壁一面を覆い隠すほどの金属の塊をゴブリンやオークどもの頭上へと落下させた。




