218.復興作業
グオン王にコックローチの討伐報告が終わってみんなと一緒にコックローチの進路上にあった村にやってきた。
「それじゃ、これから村の復興作業をおこなうよ。まずは木材を確保するためにポックルには村の外で竜樹魔法で大量の木を育てて。」
建物を修繕するためのも大量の木材が必要になるがポックルの竜樹魔法を使えば簡単に木を育てることができる。
他にも家具や耕作道具を作るのにも必要なのでその分も準備してもらおう。
(アルジ マカセテ)
「次に石材の確保だね。メアには属性魔法で大量の石を作ってもらうよ。」
「うむ、任された。」
魔女っ子メアは無い胸を逸らしながら仰々しく返事をしてくれた。
「ジンはポックルやメアが魔法で生み出した木や石を材料に加工してくれ。」
「それは良いけど、どんな風に切れが良いんだ?」
もっともな疑問ですね。
ジンもただの戦闘狂ではないのが証明されましたね。
「そこはルシアとエルに補佐を頼むよ。良いかな二人とも?」
「私は構わないけど何をしたらいいのかしら。」
「建物を建てるときには魔法を使うからそこまで一定のサイズの材料を作るようにジンやポックル、メアに指示を出してほしい。緊張しなくても失敗してもやり直せるから大丈夫。」
失敗しても大丈夫と聞いてルシアとエルの表情が和らいだ。
「分かったわ。任せておいて。」
エルが力強く返事してれたので大丈夫だろう。
隣でルシアも頷いてくれている。
「あなた。私はどうしまようか?」
エリナとメアちゃん、リーネさんはどうしようか。
少なくとも力仕事は無理だな。
他のみんなと違ってレベルを上げたりしてないからな。
「そうだね。エリナとメアちゃん、リーネちゃんはみんなの食事の準備とプライベートワールドに生えている作物から種を採取してもらうよ。」
「「「はい!」」」
「セバスには村の棟数を調査して必要な材料を算出してもらうよ。そのあとはジン達を手伝ってくれ。」
「畏まりました。」
できる執事セバスは深々と頭を下げて了解してくれた。
「俺は荒れた畑を整備する。みんな作業に移ってくれ。あ、ルシアゴーレムを作業用に作るからゴーレムへの指示も頼む。」
「分かったわ。」
ゴーレムを5体作成してルシアの指示に従うように設定した。
全員がそれぞれの作業をするために移動したので俺も村の畑へとやってきた。
草の根も残らずとはまさにこのことだと言わんばかりに何も残っていなかった。
ふと顔を上げるとさっきまで無かった木が何本も村の外に生えている。
その内の一本が大きな音を立てて倒れた。
おそらくジンが切ったのであろう。
その隣には大きな岩がいくつも並んでいる。
あの様子ではあっという間に材料はそろうだろう。
俺もみんなを見習ってさっさと作業に移ろう。
とは言っても土魔法を利用して踏み固められた土を掘り起こしてプライベートワールドの栄養豊富な土を混ぜ込む。
あとは畝を作って整えるだけだ。
魔法を使うとあっという間に畑が整った。
普通なら何人も人を使って一日がかりの仕事だ。
1週間という短期間で魔法を使って村の修復を完了させた。
立て直した家がどれも同じようなものになったのは勘弁してもらおう。
村の復興作業を待っていたかのように『伝心の腕輪』から声が聞こえた。




