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216.そのころの帝国

ここはローガ帝国皇城の皇帝の間。


そこへ大きな足音を響かせながら一人の文官が駆け込んできた。


「ハア、皇帝陛下大変です!ハアハア、グエン王国で、ハアハア、例の作戦を実行、 ハア、していた工作員が、ハア、全員捕らえられた、ハア、模様です。ハアハア。」


緊急の情報を皇帝に報告に来たようだが日頃全力で走ることがない文官のため息も絶え絶えで何を言っているか分からない。


「落ち着け、まずは息を整えてから報告しろ。」


「ハアハア。失礼しました。グエン王国で例の作戦を実行していた工作員が全員捕らえられた模様です。」


「うむ、それでグエン王国へ与えた被害はどうなっておる。」


「は、バックアップ要員の報告では村を5つ潰しましたが人的被害はゼロであります。」


この報告に皇帝の間に居た貴族達は驚きの声を上げた。


「静まれ、村人は避難すれば被害はでないが騎士団はそうはいかんだろ。なぜ人的被害がゼロなのだ?」


貴族達を静めた皇帝は文官に疑問を投げかけた。


「報告によりますと突然の竜巻と雷雲に襲われてコックローチが全滅したとのことです。」


「そんな都合よく竜巻や雷雲が発生するとは思えんな。」


皇帝となるような男だ。


この程度の推察はできよう真実を言い当てれるかは別にして。


「畏れながら皇帝陛下。それほどの大規模な魔法が使える魔法使いはこの帝国にもいません。もし仮に人為的に行なったとすれば古代文明の魔道具を用いたのではないかと考えます。とすればそれだけの大掛かりの装置を動かすには膨大なエネルギーが必要となるはずです。」


「うむ、ならばグエン王国に与えたダメージは少なくがその代わりその古代文明の魔道具という切り札を使わせただけでも良しとするか。それに工作員が捕まったとしたら今回の騒動が我々の仕業と知れればおいそれとグエン王国も動けまい。」


現在帝国はエンド王国へも工作を行なっておりグエン王国からの介入されることが一番の気がかりであったがその心配もなくなった。


「それでエンド王国への内乱工作は上手く言っておるのか?」


「は、王弟を含め3分の一の貴族がこちら側に回って降ります。我々が渡した従魔の首輪を使えば十分に目的を達成することでしょう。」


エレナ・ブラウンが危惧していた内乱の危機は帝国の介入によって着々と進んでいるようだ。


「これ以上こちら側の貴族を増やせばエンド王国の力を削れなくなるな。その後のグエン王国への侵攻も考えればそれは良くない。すぐに内乱を起こさせるのだ。」


「は!」


皇帝の命を受けた貴族はすぐに皇帝の間を後にした。


「ふふふ、これでいよいよ念願の大陸統一までの道筋が見えた。皆のものぬかるでないぞ!」


「「「「ハ!」」」」


大陸最大国家ローガ帝国が本格的な行動に出始めた。

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