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211.またまた想定外

場所は変わってエル、ジン、獣王騎士団が待機している森と荒野の境界地点では騒然とした騒ぎになっていた。


ソラがコックローチに大規模魔法を使用するために飛び立ってしばらくすると天から巨大な空気の渦が地上に向けて降りてきたのだ。


今までに見たことない大規模な異常現象に如何に勇猛果敢で知られる獣王騎士団の面々も冷静ではいられなかったのだ。


「姫様、あれが婿殿の魔法なのですか・・・?」


ライオネル将軍も何とか動揺を抑えようとしているが驚きを隠しきれない。


「私も分からないわ。知っているのはライオネル将軍と一緒で辺り一面を凍り付かせる魔法を使うってことだけよ。」


ソラと一緒に行動し始めたばかりのエルも想定を超える超常現象に呆然としている。


「ソラのことだからこれだけで終わるとは思えないぞ。エルも団長のおっさんも何が起きてもすぐ対応できるようにするんだぞ。」


ソラとの共に行動した時間の長いジンが一番冷静に現状を判断し二人に注意を促している。


日ごろソラに強い強いと言われているジンだがソラのほうがよっぽど強くて理不尽だと思っている。


そのくせ勝手に行動してその余波を自分たちが受けている。


余波を受けるたびに注意するのだがなかなか直さない困ったヤツとジンに思われているのをソラは気付いていない。




怪しい集団がいるとのことで対処を任されたセバス、ポックル、メア。


「のぉ、セバスよ。おそらくあの空から伸びる渦は主の仕業なのかのぉ?」


大精霊であるメアをしても想像もできない魔法が行使されようとしている。


「ほっほっほ、ええ間違いなくそうでしょう。恐らく上空の寒気を利用して天候を操る御積りなのでしょう。まさに神にも等しい力かと。」


古代の知識を持つセバスはこの後起こるであろう現象に予測ができているようだ。


(アルジ スゴイ)


「こんなのを見せられたら我らは主に本当に必要なのかと思うぞ。」


「旦那様が強大な力を持っておられるのは確かですが、それでも何でもお一人でできるわけではありません。我々は我々で旦那様をお支えするだけですよ。とりあず今は不審者どもを捉えましょう。」


「うむ、そうじゃな。」




コックローチの集団が三つに分かれてしまったが複数の魔法を使うことはできないのですでに発動している魔法の有効範囲を広げることにする。


広げると言っても実際に有効範囲を広げることはできない。


魔法の影響範囲を限定するために上空の冷気が落ちてくる点から一定距離を円状に上昇気流を《プログラム・素粒子操作》で発生させて必要以上に冷気が広がらないようにしている。


なのでその上昇気流の円の大きさを大きくすることで冷気の有効範囲を広げることで分散したコックローチの動きに対応する。


上昇気流の円の拡大を待っていたかのように冷気の渦が地上に叩き付けられた。


空から伸びる冷気の渦を中心に放心円状に極寒の世界が広がっていく。


黒い壁に白いペンキが塗りつぶすかのようにコックローチが氷の彫像と化す。


極寒の世界の影響は地上だけでなく俺が漂う上空にまで影響を及ぼす。


あまりの寒さに空気中の水分が凍り付きできた極小の氷が太陽の光を反射してキラキラと輝いている。


あっという間に半径5キロ四方が極寒の世界と化した。


「これは思った以上の威力になったな。この魔法も封印かな。まぁ、3方向に分かれたコックローチがすべて討伐できたのは良かったな。」


≪魔力感知≫でコックローチの反応がすでに亡くなっていることが確認できた。


想定よりも威力が高かったが目的はきちんと果たせたことに安心していると徐々に風が出てきたことに気が付いた。


「・・・・これはヤバイ!」


今の状況の深刻さに気付いた俺はこの後予想される事態に対応するために転移した。

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