194.それぞれの戦い
ロイヤルガードアント2匹とインペリアルクィーンアントとの戦闘はメアの重力魔法の一撃から始まった。
「ギギギィ」
「グギギィ」
「ギャギャ」
3匹との急に体にかかる重力の変化に戸惑ったような声を上げるが足元の地面が陥没しているが変わらずに立っていた。
さすが最下層のボスだけのことはある。
簡単に膝をつかないか。
しかし全く戦闘に影響がでないなんいてことは無いはずだ。
メアの重力魔法の発動を確認してジン、ルシア、エル、セバス、ポックルが飛び出す。
ジンは《竜魔闘気(風雷)》を身に纏い、他4人は超人化スキルを使って身体能力を上げている。
5人の動きに気がついたインペリアルクィーンが土魔法で石礫を高速で飛ばしてくる。
視界一杯に拳大の石つぶての雨がジン達5人に降り注ぐ。
あんな大きさの石が頭に当たったら当たり所が悪ければ死んでしまうぞ。
5人は俺と共有している≪直感≫スキルをうまく使って石つぶての軌道を予測しスキルで上げた身体能力を使って躱しながら前進していく。
インペリアルクィーンアントは更に闇魔法で視界を遮る闇を発生させようとしている。
それに対してメアが重力魔法を解除して光魔法で辺りを漂い始めた闇を切り払った。
重力から解放されたロイヤルガードアントがジン達5人に襲い掛かる。
ロイヤルガードアントは≪剣術≫スキルを使い両腕の鎌で切りかかって来る。
インペリアルクィーンアントの闇魔法をレジストしたメアは時魔法で全員の反応速度を上げ、さらにロイヤルガードアントの速度を下げる。
さすがは大精霊である。
重力魔法と時魔法という希少魔法を連続で難無く使用している。
さらにインペリアルクィーンアントの魔力が高めて魔法の発動させる前にパッシーが炎のドラゴンブレスが襲い掛かった。
たまらずインペリアルクィーンアントは高めた魔力を使って土魔法でパッシーのブレスを防いだ。
インペリアルクィーンアントへの攻撃は失敗したがインペリアルクィーンアントの攻撃も防いで痛み分けだ。
パッシーも初めの頃は戦うのを渋っていたが今では危なげなく戦闘できるほどに成長している。
俺もパッシーを見習わないとなぁ。
セバスがインペリアルクィーンアントがパッシーのブレスをを防いでいる隙に上空から投げナイフを連続で投げた。
インペリアルクィーンアントは器用に次々に投げられるナイフを躱していく。
ん?
インペリアルクィーンアントの動きがおかしいぞ?
なんか必死に振り解こうとしているように見える。
なんと、セバスの投げナイフ同士を繋ぐワイヤーが絡まって動きを阻害しているのか。
少し不安だったけどパッシーとセバスで十分にインペリアルクィーンアントを足止め出来ている。
ルシアとエルは俺と共有する≪超人≫と≪属性魔法≫を使ってロイヤルガードアントとの戦闘を優位に戦っている。
二人が元々もつ高い武技に加えてスキルで高まった身体能力でロイヤルガードアントの堅い外骨格を貫いている。
ただロイヤルガードアントは再生を使って傷を回復していくので決定打を出せていない。
弱点である関節部分をロイヤルガードアントが上手く守っているのが原因だ。
ポックルも攻撃は苦手なので二人の補助に回っている。
この拮抗した戦いはジンがカギだな。
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