186.滅却
まずは真実の眼でステータスを確認する。
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名前 ミケ・タマ・シロ LV30
種族 ドラゴンワーム
戦闘ランク D
スキル
劣化竜麟 LV3
ヒートブレス LV3
再生 LV1
状態異常耐性 LV2
悪食 LV5
称号
竜を食した者
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全長10メートルを超える巨大なワームが三匹出てきたので焦ったがどうやら三つ首のワームらしい。
種族はドラゴンってついてるわりに弱い?
でかいだけの見掛け倒しか?
たださっきからメアが重力魔法で押させつけて俺が《氷の世界》を放っているんだけどヒートブレスの効果なのか動きは鈍っているけどなかなか凍りつかないんだよな。
「ソラ、そのデッカイワーム動かないけどまだ生きているよな。」
「ああ、まだ生きてるな。体液が飛び散らないように凍らせようとしているんだけど効果が薄いみたいなんだよなぁ。」
どうしよっかなぁ。
体液が残らないほどの高温で焼くってのは密閉空間でしないほうが良いし・・・。
思いつきましたよ!
ドラゴンワームを滅却する方法を!
まずは動けないドラゴンワームの周りを結界で囲んで周りの空間と切り離します。
ドラゴンワームを閉じ込めた結界に隣接するように新たに結界で囲んだ空間を作り出し、その中に属性魔法で作り出した水を属性魔法で発生させた雷で電気分解することで酸素と水素を作り出した。
使用しない水素は《プログラム・空間魔法》でダンジョン外に送り出しす。
「これからドラゴンワームを燃やすからな~。」
普通ならドラゴンワームに魔法で火を付けてもすぐ火が消えて再生するだろうけれど火が消える前に結界に穴を開けて隣接する結界内に酸素を送り込むことで炎の勢いが止まることなく激しくなっていく。
《滅却》と仮称して置くか。
炎が激しすぎて結界内がどうなっているのかさっぱりだが、ドラゴンワームは頑丈なようで結界内で暴れまわっている大きな音が迷宮内に響いてくる。
「ソラ、生きたまま焼き殺さなくてもいいんじゃないのか?」
「ワームの体液がなければそうするけど、ジンが代わりに倒してくれるか?」
「嫌だ。」
ジンは心底嫌そうに口をへの字に曲げて眉間にシワを寄せている。
次までに苦しまない方法を考えておこうと俺は心に決めながらも、もう一生分はワームを倒したから迷宮を攻略した二度と戦いたくないと思っている。
次第にドラゴンワームが暴れる音も静かになり炎の勢いも弱まりはじめやがて炎も収まり残ったのものは何も無かった。
酸素を送り続けたので完全燃焼したのだろう。
ただこの結界内には窒素酸化物なんかが大量に詰まっているはずだからこのままダンジョンの外にポイだ。
「我主よ、どうして燃やしたあとの亡骸がないのじゃ?」
この現象はメアの好奇心を刺激したようでそのあと延々と俺の拙い科学知識で説明し続けることになったのは当然の結果か。
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