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184.ワームは臭い


先頭をズンズン進んでいたエルが急にピタッと立ち止まり振り返った。


「ソラ、さっきの兵士の話は気にしたらダメだから。」


勝気なエルがしおらしく顔を朱色に薄っすら染めながら言うので思わずドキっと来る。


《冷静》さんからバーションアップした《セルフコントロール》さんお仕事ですよ。


ふぅ~、落ち着きました。


《セルフコントロール》さんはなかなか優秀なようですね。


「心配しなくても大丈夫だ。エルが優しいのは知っているから。」


「はぁ~、そうね。ソラはそんなだったわ。それでこれからどうするの。」


エルが何かを諦めたようなセリフを言っているけど気にしたらダメだ。


大地の迷宮に挑むメンバーは俺、エル、ジン、ポックル、メア、セバス。


他のメンバーはプライベートワールドで待機している。


セバスが予め回収した機械で作っておいた小型ドローンのような物で調査した結果、この迷宮は前半はワーム系の魔物が出てきて後半はアント系の魔物が出てくるらしい。


この情報を聞いたとき初めて知ったのだがルシアは虫系の魔物が苦手らしいのだ。


エンシェントエルフだから森の出てくる虫系の魔物は平気なのかと思ったけど違うらしい。


ただ6人と言う人数になった最大の理由は迷宮の通路が狭いことだ。


ポックルとメアは誰かのポケットに納まるので子供1人と大人3人と言っても過言ではない。


役割としてはセバスが斥候、ジンが前衛、エルが中衛、ポックルは主にエルの補助、俺とメアが後衛という布陣だ。


しばらくシールド工法で作ったような丸い通路を進むと何かの魔力を感知した。


おそらくこれがワームなんだろう。


「前方から反応有り。数は5。おそらくワームかな。」


「ソラ、俺に任せろ!」


久しぶりの戦闘にやる気を漲らせたジンが叫ぶ。


魔力の大きさから見てジン一人でも余裕だろう。


「ああ、分かった。」


「ソラ、私も行くわ。」


「気をつけてね。」


エルにも俺のスキル《超人》を共有しているから余程のことがない限り大丈夫だろう。


案の定あっという間にワームを倒して帰ってきたが近づいてくる二人の顔は浮かない。


理由はすぐに分かった二人の全身には倒したワームの体液が飛び散っている。


「酷い状態だね。すぐに綺麗にするからちょっとジッとしてて。」


俺は《プログラム・粒子操作》を用いて二人についているワームの体液を綺麗に取り去った。


名づけて《クリーン》・・・・、まんまですいません。


「ソラ、ワームはダメだ。弱いし倒すときに飛び散る体液がくさい。」


「私もあの匂いと体液の不快さは嫌だわ。」


通路が狭いから飛び散るワームの体液を避け切るのは難しいようだし、ワームの体液に気をとられていたら今は良いけど後々問題になるだろう。


う~ん、俺の《殺気》と《呪詛》で追い散らせないかな?


「ちょっと、ワームを近寄れないようできないか試してみるよ。」


《殺気》に《呪詛》で恐怖や畏怖を混ぜ込んで放つ感じかな?


「む!」


「ヒィ」


あれ?


何かまずったかな。


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