181.大地神の機械像は試作品?
オーバーテクノロジーと言っても良い認証式自動ドアの先は今までの大きな空間を打って変わって俺達が全員入ると手狭に感じるほどの小さな部屋だった。
この部屋は今まで見てきたところのように大型の機械やたくさんの小さな装置はなくPCのような端末と小さな工作ようロボットアームのようなものがあるだけだ。
おそらくここがさっきメッセージに出ていた試作品製造部なのだろう。
その証拠にこの部屋にあるシステム端末とロボットアームは今までの部屋にあった沈黙した工作機械と違って鈍く光りを放っている。
「見たこともないようなものが置いてあるけど何のなのかしら。それに今までと違って殺風景だわ。」
特に見るべきものが少なくてこの部屋がなんであるのかを想像するのを妨げているようだ。
「ちょっと待ってね。」
俺は端末に表示されている内容を確認してみる。
「これは文字みたいだけどなんて書いてあるのかしら。ルシアさんは分かる。」
ルシアがエンシェントエルフで悠久の時を過ごしてきたことを知っているエルが端末の画面を覗き込みながら尋ねている。
「おそらく神話文字が元になった文字と思うけど分からないわ。」
このメンバーの中でもっとも知識があると思われるルシアが読めない文字なのか。
「神話文字っておとぎ話や創生神話に出てくるものよね。実際にそんな文字があったのね。」
「でもお養父さんは目で追っているってことは読めているんでしょ。もう驚かないと思ってたけど空想上の文字と思っていた神話文字が読めるなんて驚きを通り越して呆れちゃうね。」
エナちゃん、そこは正直にお養父さんすっごーいで良いんじゃないかな?
「それでなんて書いてあるのかしら?」
「まだ、途中までしか読んでないから読み終わるまで待って。」
どうやらここで部品が揃えばロボット?アンドロイド?のようなものが作れるらしい。
しかもそれが大地神の機械像に相当するものみたいだ。
足りない部品は心臓部と頭脳の一部らしい。
都合の良いことに心臓部は迷宮で手に入れているし、頭脳には俺のスマホが使えるらしい。
スマホは勿体ないけど大地神の機械像を手に入れないと先に進めないから仕方ない。
願わくば完成した大地神の機械像にスマホの機能があらんことを。
「どうやらここで目的の大地神の機械像を作れるらしい。さっそくやってみるからあそこにある台には近づかないでね。」
壊れた自動人形の心臓部とスマホを端末のモニターが指し示す場所に設置して製造システムを実行に移した。
すぐにロボットアームが動き出した。
ボディ部を思われる部分がアームで作業台に置かれると迷宮で手に入れた心臓部を繋いで納めると外から心臓部が見えないようにしっかりカバーが取り付けられた。
その時にはすでに別のアームが両腕の部品をボディ部に取り付けが完了していた。
そしてすでに足のパーツの取り付けが始まっている。
俺の感覚ではかなり異常なスピードで組み上がって行く。
そんなことを思っているうちにスマホが頭部の頭脳と繋がって収められていく。
そうして10分もしない内にデッサン模型のようなロボット?が完成した。
表面は滑らかで全くメカメカしくない。
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ピコーン
ベースパーツの製造が完了しました。
大地神の機械像のタイプを選んでください。
性別タイプ
1.男
2.女
性格タイプ
1.軍人タイプ
2.執事タイプ
3.秘書タイプ
4.兄貴・姉御
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性別タイプは男だな。
これ以上女性が増えたら俺の身が持たない。
性格は体育会系は無理だから軍人と兄貴タイプはなし、秘書は何となく神経質そうだから執事タイプだな。
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