174.コーヒーがあった
キッチンではすでにエリナが朝食の準備を始めていた。
「あなたどうしたの?朝食はまだできてないわ。」
エリナが不思議そうな顔をしながら振り返ってきた。
「一緒に朝食の準備をしようかと思って、食材を切るくらいなら俺もできるから。」
エリナも喜んでくれたのかドキッとする笑顔を見せてくれた。
エリナとは倦怠期なんてことは一生来ないだろうな。
年をとってもすてきなおばあちゃんになりそうだ。
・・・・・あれ。
今とっても大事なことに気が付いてしまった。
よし、ルシアも交えて近いうちに話し合いをしよう。
「あなたはここにある野菜を千切りにしてください。」
「オッケー。」
エリナから野菜と包丁を受け取ってエリナの隣で野菜を切り始める。
家事ははっきり言って面倒だけど美女と一緒なら寧ろ率先してやってもいいかもしれない。
「お母さんおっはよ~。」
エナちゃんが起きてきて大きな声であいさつしてくる。
「エナ。おはよう。」
「エナちゃん。おはよう。」
「あ、お養父さん。ふふふ、私はお邪魔かなぁ。」
そう言ってエナちゃんはテーブルに肘をついた両手に顔を載せて足をブラブラさせてコッチを眺めている。
「さぁさぁ、二人とも仲良く朝食を準備して。」
その後はニコニコ顔のエナちゃんに見られながらエリナと二人で朝食の準備を進めた。
朝食を食べ終え今は食後のコーヒーを飲んでいる。
なんとこのコテージにはインスタントではあるがコーヒーが常備されていたのだ。
これは大変ありがたかった。
なんと言ってもコーヒーにこだわりを持っているわけではないが日に10杯は飲んでいたから何となく物足りさなを感じていたんだ。
さっそくルシアに入れてもらったがお茶と同様にルシアの入れるコーヒーは美味しかった。
インスタントコーヒーだから誰が入れても同じはずなのにな。
「それで、もし城に行くことになったら誰が一緒に行く。」
「「「はい!」」」
え~と、ルシア、エリナ、リーネさんか。
リーネさんを連れて行っても大丈夫かなぁ?
「リーネちゃん。静かにできる?」
「できるよ!おじちゃん。」
「もし出来なかったら。おじちゃん一緒に寝ないよ。」
「大丈夫!リーネは静かにできるもん!」
まぁ、いつまでもここに閉じ込めておくわけにいかないしな。
「分かった。静かにできなかったら帰ってもらうからね。」
「やっ・・・。」
リーネさんは大声をあげそうになったが慌てて両手で口を覆った。
その動作が可愛くて思わずリーネさんの頭を撫でてしまった。
「リーネちゃんは偉いね。」
うれいしそうにニコニコ笑っている。
「リーネバッカリ狡い。」
ルシアがそんなこと言うなんてよっぼどうらやましんだなぁ。
「ルシア、エリナ。こっちへおいで。」
二人を抱きしめて愛情を込めたキスをする。
「お養父さん。愛を育むのはいいけどみんないなくなったよ。」
あれ~、なぜ俺の使い魔はみんないないの?
せめてポックルとルナはいてほしかったな。
(アルジ ドウシタ?)
「主は何を悲壮な顔をしておるのじゃ?」
疑ってごめんなさい。
「ポックル、ルナ。何かほしい物ある?」
二人にはチョコを上げて謝罪とさせてもらった。
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