160.飛行機もどき
エリナさんにコレからお昼ご飯を作ってもらうのは大変だろうとパッシーの《お使い》を使おうかと思っていたがなんとエナちゃんとリーネさんがすでにお昼を用意してくれていた。
まさかエナちゃんも料理ができるとは。
おっちゃんエナちゃんのことみくびっていたわ。
ただのお肉好き少女じゃなかったのね。
日頃からエリナさんを手伝って宿の料理しているらしくとても美味しかった。
昼食を終えて俺達はファルスの外にある草原へやって来た。
移動するだけなら俺以外はプライベートワールド内にいても問題ないのだが街から出たことを記録して貰わないとおかしなことになるので面倒でも仕方ない。
「これからグエンに向けて出発しますがプライベートワールド内でゆっくり過ごして待っていることも出来るけどどうする?」
「ソラだけに苦労させるわけには行かない。もちろん私達も一緒に移動するわ。」
みんななぜか真剣な顔をして頷いている。
新しい移動手段があるから苦労なんて全くしないんだけどな。
「グエンには空を飛んでいきます!」
「「「「空?」」」」
みんな不思議そうに首を傾げてますね。
まぁ、徒歩でも馬車でも無く空を飛ぶなんてこの世界初かもしれないしね。
「そう、空を鳥のように飛んでいきます!」
「わぁ!わぁ!おじちゃんホント!ホントに空を飛べるの!」
「ヤッター!鳥みたいに空を飛べるなんて夢みたい!」
リーネさんとエナちゃんが俺の周りを飛び回ってはしゃいでいる。
「さすがソラですね。そんな方法で移動するなんて聞いたことありません。」
「まぁまぁ、私たちの旦那様はすごいですね。」
「ブヒブヒ」(俺のアイデンティティがぁ~)
(アルジ スゴイナ)
「まぁ我の契約者ならそのくらいできんとな。」
うんうん、かなりの好感触な反応ですね。
「我が主よ。ただ飛行魔法を使っただけではこの人数を運ぶのには魔力消費が激しくないかの?」
そうなのだ俺が持つ≪魔力炉≫は精霊樹から魔力を融通してもらうので使い過ぎは良くない。
なので効率的な方法で飛行する必要がある。
「それに関してはちょっとした考えがあるから大丈夫だと思うよ。」
今まで作ってきた≪プログラム≫の経験上この世界でも物理法則はほとんど変わらない。
なので今回は揚力を利用することにする。
確か下に流れる空気と上を流れる空気の到達距離の違いの関係で発生する力だったと思う。
まぁ、詳しい仕組みは分からないけど要は飛行機の翼を真似すればいいのだ。
≪プログラム・物質化≫を使って小型飛行機を作成。
翼の形だけは気を付けないと説明が難しいが滴を縦半分にした形が近いかな。
小型ジェット機をイメージして成型。
うん、なかなかの出来だと思うよ。
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