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158.未来の俺ガンバレ


リーゼちゃんは顔を伏せて『伝心の腕輪』を強く握り占めている。


何とかこれで納得してくれないかな?


急にリーゼちゃんが顔あげて嬉しそうに頬を緩ませている。


「これが遠距離恋愛というものですね!」


え、いやそれは違う。


「これはグエンに連れていけない代わりとして渡したので決してそういう意図ではないですよ。」


俺には妻が二人もいるんだ。


不倫なんてもっての外だ!


「分かってますよ。ソラ様。そう言わないとお父様が何を言うか分かりませんものね。」


イヤイヤ全然分かってませんよ。


アンさんそこでその通りってウンウン頷いてんじゃないよ!


分かってんだよ。


全部あんたの差し金だろが!


俺の視線に気が付いたアンさんは私は関係ないみたいに首をブンブン振ってんじゃないよ。


なんで仕方ありませんねって表情するだよ。


お前が原因だろが!


しかし何で言葉を発してないのにこんなに意思疎通できてんだ?


「お嬢様。良き妻は黙って夫の帰りを待つものですよ。」


イヤイヤ余計に変な方向へ舵を切るなよ!


「そうですね。変なことを言ってすみませんソラ様。お気をつけて行ってらっしゃい。」


これどうしたら良いんだ。


困ったときのセスさんは両手を上げて降参ポーズ。


アントレ侯爵白目を剥いて気絶してますよ。


自分で何とかするしかないのか。


「リーゼ様。私は既に妻もおりますので・・・。」


リーゼちゃんの血の気が引いていく。


ここで同情したらダメだ。


確固たる意志で望まないとまた繰り返しになる。


「ほ、ほんとですか?」


そんな弱弱しく言ってもダメですからね。


アンさんがススーっとリーゼちゃんの傍に寄って行く。


おい、また変な入れ知恵するなよ。


絶対余計な入れ知恵してるよ。


だってリーゼちゃんの顔色がドンドン良くなっていくんだから。


「分かりました。ソラ様が無事に戻って来られるのをお待ちしております。」


アンさんはいったい何を言ったんだ?


リーゼちゃんの目に闘志が宿ったように感じるんですが。


嫌な予感しかしない。


後でルシアとエリナさんに相談しよ。


そもそも思わせぶりな行動を多々して来たのがいけないだって?


確かにその通りなんだけどまさかモブの俺がここまでモテるなんて思わないじゃん。


まさか特殊な魔力でモテモテとはなぁ。


え、喜んでいる癖にって。


ええ、もちろん喜んでますよ。


俺に良心とか理性なんてものがなくてヘタレじゃなかったらもっと簡単なんだけどなぁ。


はぁ、未来の俺に対処は任せよう。


「侯爵もお忙しいと思いますのでそろそろ失礼します。」


アントレ侯爵は気絶したままだがセスさんが開けてくれた扉から出て屋敷を後にした。


なんか来る度にアントレ侯爵の扱いが雑になってる気がするけど大丈夫なのかな?

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