154.お風呂では寛ぎたい
さて夕飯も食べ終えた。
せっかく風呂があるんだからさっぱりしてから寝るか。
ただ残念なことに風呂場は一つしかない。
今やメンバーに女性もいるから順番を決めないと。
「それじゃ風呂は誰から入る?」
「お風呂があるの!?ヤッター!」
「おっふろ、おっふろ。」
あれ、シャワーがあるからお風呂も一般的なものかと思ったけど違うのか。
「やっぱりソラからじゃない。大黒柱だしね。」
「私もソラさんからでいいと思いますよ。」
ほかのみんなも頷いているので俺からで良いようだ。
「ありがと、それじゃ先に入らしてもらうね。」
この風呂は絶対に家庭用の風呂じゃないな。
造りの雰囲気としてはホテルにある大風呂に近い気がする。
脱衣所には大きな棚があって10人で使っても余裕があるくらいに広い。
そして扉を開けて風呂場に入ると巨大な浴槽がある。
これも10人いや20人くらい一緒にはいれるくらいに広々とした風呂だった。
これだけ広いなら使い魔たちと一緒に入ればよかったかな。
まずは体をキレイに洗って今日1日の汚れを落とすかな。
「ふぁぁ~。気持ちいい。」
適度な温度のお湯が筋肉を緩めて体中をリラックスさせてくれる。
特に風呂好きってわけじゃないけど大きな風呂に大の字になって入るのは気持ちいいなぁ。
ちょっと睡魔が襲ってきたよ。
「わぁ~。」
「コラ!リーネ待ちなさい!」
なんか外が騒がしいな。
「イヤだ!おじちゃんと一緒に入るんだ!」
これ気のせいではなく脱衣所から聞こえてくるよな。
「ルシア~、どうしたんだ~?」
「いえ何でもありません。ちょっとリーネがお風呂に入ろうとしているだけです。」
いや、それって何でもあるよな。
「分かったすぐ出るからちょっと抑えてて。」
「出ちゃダメなの!一緒に入るの!」
いやいやダメだよ。
百歩譲って仮にリーネさんが良いとしても俺が精神的に耐たない。
それにリーネさんも精神は子供になってるけど体は大人だから完全にアウトでしょ。
「リーネちゃんはお風呂に一人で入れるよね?」
「入れるよ。入れるけどおじちゃんと一緒に入るの!」
困った・・・、どうしよ。
「リーネ女の人と男の人は別々にお風呂に入るものなのよ。」
ルシアが説得を代わってくれたようだ。
すまん、俺が説得すべきなのに。
「他の人は関係ないの。リーネが一緒に入りたいの!」
「それはいろいろと不都合があるからダメよ。」
「何で何で・・・。やっぱりおじちゃんリーネが嫌いなんだ、う、う、うわぁぁぁぁぁん!!」
おお~い、泣くのは反則だよ~。
「俺はリーネのことを嫌いになったりしないぞ。」
どうしたら良いんだよ~。
「分かったわ。そしたらみんなで一緒に入りましょ、ネ、そうしましょ。」
ちょっと待ってルシアさん。
それは俺が落ち着かない。
「ソラ、良いですよね。」
「は、はい。」
「やっぱりおじちゃんは嫌なんだ・・。」
「そ、そんなことはないぞ。うん一緒に入れば楽しいお風呂になりそうだ。」
「ほんと?」
「本当だよ。出来れば一緒に入りたいっておじちゃんも思っていたよ。」
そうできるなら一緒に入りたいとは思う。
ただもう少し慣れないと俺が落ち着かないんだよなぁ。
はぁ。




