150.二人目の嫁
エリナさんとエナちゃんが大声を上げた。
どうしたんだ二人ともそんなに驚いて?
いや確かに俺みたいなモブに美人な妻がいたら驚くか・・・。
自覚はあるけど、他の人から言われたらやっぱり悲しい。
「そうだよな。俺なんかに嫁がいたら変だよな。」
「変じゃない変じゃないけど、今まで全く女の人の影がなかったのはどうしてなの!?」
エナちゃんが偉い喰いついて来るな。
対してエリナさんは黙って俺をジーっと見つめてくる。
普通なら美人の熱視線は喜ばしいのだけどなんだか責められてる気がするのはなぜに?
「どうしてって言われても。特に理由はないんだけどなぁ。」
「それじゃ。いつ知り合ったの?」
「え~とフォルスの街に来て少ししてから。」
「それじゃ、私やお母さんに出会った後なのね!何でお母さんじゃなくてその人を選んだの!?」
え!?
なんでエリナさんを選ばずにルシアを選んだことになってるの?
「エ、エナ!何を言っているの。ソラさんが困ってるでしょ。ソラさんごめんなさい」
さっきまで黙っていたエリナさんがエナちゃんを止めに入ってきた。
「お母さんも何か言ってよ。ソラさんのことが好きなんでしょ。あんな思わせぶりなことをしておいてお母さんを選ばなかったのよ!」
え、え、えぇぇぇ!
「えぇっと、その、エリナさん。今エナちゃんが言ったことは本当なんですか?」
エリナさんは顔を真っ赤にして黙り込んでる。
黙ってるけどこれはYesってことだよな。
どうしよ、どうしよ。
そんなつもりは無くても俺が悪いよな。
「俺どうしたら良いんだ・・・・。」
「ソラ。家族が増えるの?」
え!?
ルシアが嬉しそうに俺に聞いてくる。
「違うよ。なんでエリナさんじゃなくルシアを妻にしたのかって話だよ。」
ルシアは頭にハテナを浮かべて首を傾げている。
うん、可愛いなぁ。
って今はそれどころじゃない。
「エリナさんもソラの妻になるんだから家族が増えるんだよね?」
イヤイヤだめでしょ?
あれ、でも元の世界とは違うから有りなのか?
イヤ、俺が無理だな。
ルシア一人も満足に相手してあげれないのに。
エリナさんもなんて無理だ。
「エリナさん、エナちゃん。謝って済む話じゃないけどすみません。俺にできることなら何でもするから。」
俺はとにかく誠心誠意謝ることにして頭を下げた。
「ソラさん。謝るようなことではないので頭を上げてください。」
「しかし、結果として俺はエリナさんを傷つけてしまった訳ですから。」
そう俺はエリナさんという美女を悲しませてしまったのだ。
「いえ、ただ私にルシアさんほどの魅力がなかっただけですから・・・。」
「それは断じて違います!エリナさんは嫁にできたらそんな幸運はないと思うくらい魅力的です!」
は、ヤバイ。
余計なことを言ってしまった。
ルシアが悲しんでいるんじゃないか。
ここはきっちりフォローしておかないと
「ルシア、俺はお前を嫁にできて幸運だと思ってるよ。」
慌ててルシアに弁解したがルシアは全く気にしてないのかニコニコ笑ってる。
「ありがと、ソラ。」
「ソラさん。何でもしてくれるんですよね?」
エナちゃんが態々確認してくるのが若干怖い。
「ああ、俺のできることならするよ。」
「それじゃ、お母さんと結婚してください。」
「エナ何を言ってるの!?」
「だってお母さんもソラさんが好き、ソラさんもお母さんを魅力的と思ってる。ルシアさんも家族が増えるのを歓迎している。何の問題もないよ?」
え、あ、そうなのか?
ルシアは嬉しそうに笑ってるし、エリナさんも顔を赤くして嫌がってはいない?
「エナちゃん今は良いかもしれないけど、それは後々問題があるんじゃ・・・。」
「そこはソラさんが頑張るんでしょ!何でもするって言ったんだから。」
た、確かにそうだが・・・。
俺が頑張らないといけないか。
「心配しなくても今まで通りしていたら大丈夫よ。」
ルシアが応援してくれてるんだ。
やってやるよ。
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やる気ポイントを200獲得しました。
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まずは俺の気持ちを行動で表すところからだ。
俺は膝を着きながらエリナさんの手をそっと手に取る。
「こんなエリナを悲しませた男だけどルシアと同等の愛情を注ぐから俺の妻になってくれないか。」
「・・・・はい喜んで。」
エリナさんは目に涙を溜めながら微笑んでくれた。
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