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147.壊れている心

俺が目的の建物に着いたときには子供達の反応は一つしか残っていなかった。


ロイ君もミリちゃんの魔力を感知できない。


全く躊躇することなく建物のドアを蹴破る。


「誰だテメェ!」


この屑が!


屑を始末するのに躊躇している暇なんて無い。


スピードが命。


無形の竜牙を刀に変え部屋にいた男の体と頭を切り離す。


子供達は・・・下か!


階段など探している時間などない!


俺の真下に誰もいないことを確認して《機関銃》で床に穴をぶち開けて地下に降り立った。


そこは俺がこの世界に来て初めて見る光景だった。


元の世界でも映画や漫画の世界でしか見たことはない。


薄暗い部屋の中に鼻に纏わりつく血の匂いが充満している。


この部屋に来たときには分かっていたことだが子供達は助けられなかった・・・。


《冷静》さんのお陰で頭が冴えているがそんな自分が気に入らない!


「おまえどっから来やがった!」


俺は《冷静》を意図的にオフにする


「テメェらァァァァァ!!!!!!」


***********

ピコーン

スキル《咆哮》を獲得しました。

スキル《咆哮》が《呪詛》に変化しました。

スキル《威圧》を獲得しました。

スキル《威圧》が《怒気》に変化しました。

スキル《怒気》が《殺気》に変化しました。

***********


部屋にいた男達は俺の怒声を聞くとバタバタ倒れていった。


「クソがぁぁ!簡単に死んでんじゃねぇぇ!」


『ポフ』


「ソラ。みんなが苦しんでる。落ち着いて。」


ルシアを後ろから俺に抱き着いて苦しげに訴えてくる。


俺に続いて部屋に入って来たみんなが膝をついた状態で苦しそうにしている。


俺は《冷静》をONにして休息に頭を冷やす。


どうやら俺は無差別にスキルを発動していたようだ。


「すまんルシア。」


「ぅあぁぁぁぁぁぁぁぁ。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。嘘。嘘。嘘。嘘。嘘。嘘。これは夢。これは夢。これは夢。これは夢。これは夢。これは夢。あぁぁぁぁぁぁ。」


俺が無差別に放ったスキルのせいでリーネさんが目を覚まして叫んでいる。


そしてこの惨状に耐えられず再び気絶してしまった。


慌てて俺はリーネさんを抱きかかえた。


改めて部屋の中を見回すと至る所に枯れ草の塊がおいてある上に油臭い。


どうやら証拠隠滅のためにここら一帯を焼き払うつもりだったようだ。


現代科学でも焼き払われると証拠がほとんどでないらしいから効果的だろう。


はぁ、俺ってやっぱどっかおかしいのかな?


子供達を殺されたことに対する怒りはあるけど亡くした悲しみはないんだよなぁ。


「ソラ。これからどうするんだ?」


意外とジンが冷静だ。。


いや、ルシアから聞いた鬼人族の特徴を思えばおかしくはないのかな。


まぁ、今は冷静で居てくれたほうが良いので構わないが。


子供たちの遺体を回収して埋葬したいが下手なことをしてリーネさんが疑われるのは困る。


折をみてクマかアントレ侯爵に頼むか。


誰かが手段を選ばずに俺を狙っていることは確かだ。


俺の殺害に失敗したのがバレたら同じような手段を使ってくるかもしれない。


リーゼちゃんはさすがに攫われたばかりで屋敷で大人しくしているだろう。


クマは実力があるから問題ない。


問題があるとすれば・・・。


「エリナさんとエナちゃんの様子を確認しに行くぞ。」


俺は再び《韋駄天》を全員にかけて『そよかぜ亭』に向けて飛び出した

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