146.嫌な予感
意識を失って『再生の木の実』が食べれない俺にルシアが口移しで食べさせてくれたようだ。
非常に恥ずかしいぃ。
これってキスにカウントされないよな?
じゃないとルシアに申し訳ない。
近いうちに挽回しないとな。
「ルシア。食べさせてくれてありがとう。助かったよ。」
アメリカでは当たり前だ
ありがとうのキスだ。
これは挨拶、挨拶だ
遅くなればなるほどやり辛くなるんだぞ。
いくぞ。
1,2,3、GO!
『チュ』
《ポーカーフェイス》さんがいても顔が赤い気がする。
それに心臓がバクバクして《冷静》さんも効果なし。
むしろこの二つのスキルが無かったらルシアをキスも出来なかっただろう。
その上嫁にする宣言なんて夢のまた夢だろうな。
ルシアも顔をリンゴみたいに真っ赤にして可愛い。
え!?
どこにキスしたのかって?
そんなの言わせるなよ。
・・・・・。
すいません、ホッペです。
まだ無理です。
もう少し時間をください。
口移しで食べさせてもらって今更だって?
あれはキスではないんですよ。
ええ~い、うるさいうるさいうるさ~い。
「ソラ。イチャイチャしてないでどうするんだ。」
ジンが最近突っ込み担当になっているな。
特攻隊長なだけに?
「みんな心配かけてすまんな。」
リーネさんはポックルが魔法で拘束しているだけで特にケガは無さそうだ。
頭に血が上ったジンとルシアがどうするか心配だったが杞憂になってよかった。
「リーネさん。孤児院の子供達はどうしたんですか?」
おそらくリーネさんはこんなことをした原因は孤児院の子供達がいないのと関係が有るはずだ。
「これでみんな助かる。これで良かったのよ。子供達は無事。だって手紙にもそう書いてあったんだもの。私が役目を果たしたら子供達は傷つけないって。」
ダメだ。
リーネさんは目の焦点が合ってないな。
このままだと不味いよな。
とりあえず眠ってもらおう。
《プログラム・薬生成》で睡眠薬を生成しリーネさんに飲ませる。
効き目はあっという間にでてリーネさんは眠ってしまった。
「みんなすぐに子供達を捜すぞ!」
《プログラム・魔力感知》でロイ君をすぐに見つけた。
「見つけた!みんなついて来い!」
子供達は同じところに居るみたいだが人数が少ない。
スキル《魔力炉》のお陰で潤沢になった魔力に任せて全員に《韋駄天》をかけてから俺は真っ先に外へ飛び出す。
少ないと思った反応がさらに減っていっていく。
嫌でも子供達が死んでいっているのが分かる。
俺が行くまで誰か生きていてくれ。
俺はとにかく全力で走りながら祈る。
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