139.精霊樹を植樹
「ルシアこれだけ水が有れば問題ないよな。」
「・・・・・。」
あれれぇ、ルシアさんの反応が全くない。
顔の前で手を振ってみるがやはり反応がない。
「お~い、ルシア~。」
「ソラがまたとんでもないことをしたからルシアはビックリして固まってんだぞ。」
これはあれか王子じゃなくておっさんの口づけが必要か!
よ、ようし、やったるぞ
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やる気ポイント150獲得しました。
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ルシアにキスを・・・。
はい、焦点が戻ったルシアとバッチリ目が合っちゃいましたよ。
どうしましょ。
気、気まずい。
血迷ったな俺。
「『ゴホン』これで精霊樹を植えても大丈夫だな?」
はい、ヘタレです。
はい、誤魔化しました。
「・・・・・ジー。」
ルシアさん『ジー』って口で言ってますよ
「何かなルシア?」
「・・・・・続きをして。」
意識のない女の子にキスしようとしたなんて犯罪を認めるわけにはいかないのだ。
「な、何ことかな?」
おい≪冷静≫さんいい加減仕事しようぜ。
「・・・・・・キス。」
そうですよね。
そりゃ、あれだけバッチリ目が合えばバレてますよねぇ。
やはりセクハラは好かれていればセクハラにならないんですね。
そう考えるとセクハラって言う奴は酷いよな。
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うう、ルシアが涙目になってるよ。
さっき覚悟したんだやるぞ、やるぞぉ。
ルシアを両手で抱き寄せてキスをしま・・・しました。
え!
どこにしたのかって。
おいおい言わせんなよ。
・・・・・。
すいません、額にキスしました。
俺にはまだ無理です。
良いんですよ!
ルシアは喜んでくれてますから!
「ソラ早く精霊樹を植えに行きましょ!」
羽が生えて飛んでいきそうなルシアに引っ張られて湖の傍にやってきた。
「ポックルここに穴をあけてくれ。」
(ワカッタ)
ポックルに頼んで≪土魔法≫で小さな穴を開けてもらう。
そこへアイテムボックスから取り出した『精霊樹の若木』を入れて隙間を土で埋める。
「これで一先ずは良いのかなルシア?」
「はい、大丈夫ですよ。次は精霊樹との契約ですね。」
「どうすれば良いんだ?」
「エンシェントエルフの指輪を付けて私と一緒に精霊樹に魔力を注ぐの。」
ルシアと手を取り合って精霊樹に手を添えて魔力を注いでいく。
すると精霊樹の若木は優しく虹色に発光しながら徐々に成長していく。
「綺麗・・・。」
「ああ、美しい。」
発光するものに良い思いではないけどこの光は優しくて落ち着くなぁ。
膝くらいの高さだった若木は胸のあたりまで成長した。
そると虹色の光が徐々に胸の前に集まってきた。
これは何だろう?
俺の目の前でフワフワと浮かんでいる。
ルシアを見るとまたしても可愛らしい驚きの顔をしていた。
また俺が何かしたのだろうか?
「ルシアこの光は何?」
「・・・・これは精霊です。」
おおこれが精霊かぁ。
半精霊のパッシーとは全然違うな。
「それでこの後はどうしたら良いのかな?」
「おかしいわ。精霊は精霊樹から世界樹に成長させるアイテムをすべて集めてやっと顕現するはずなのにどういうことなの。それだけソラの魔力がすごいってことのなの?いま精霊とも契約しちゃって良いの?でもこのまま精霊を置いておくわけには行かないし・・・・・。」
ルシアが小さな声で言ってるけどすぐ近くにいる俺には全部聞こえているよ。
≪直感≫さんは契約すべきとおっしゃっているから契約すべきと思うけど。
「ルシアこの子と契約したら良いのかな?」
「そ、そうね。名前を付けてあげて契約しましょう。」
「心配しなくても大丈夫だよ。ルシア。」
不安げなルシアを優しく抱きしめながらどんな名前にしようか考える。
それにしても短時間の間に名前呼ぶことだけじゃなく抱きしめることも自然にするようになったな。
彼女いない歴=年齢だった俺はどこにいったんだか。
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