137.プライベートワールド
「ルシア、話は戻るけど『精霊樹の若木』を手に入れた後はどうするんだ?」
「安全な場所に植えて育てるのよ。」
安全な場所かぁ。
あ、もしかしたらアレが使えるかな?
それにしてもいろいろ俺に都合が良すぎるけど大丈夫だよな。
まぁ成るように成るか。
「ルシア。ちょっと心当たりがあるからそこで育てられるか確認してもらえるかな。」
ルシアはウンウン頷いている。
要所要所で出てくるギャップがマジでヤバイな。
あ、そう言えばルシアの号泣を見た驚きからかいつの間にか普通に『ルシア』って呼んでいるな。
そんなことを考えながらアイテムボックスから目的のアイテムである『異界のカギ1』を取り出した。
まぁ、これ俺の家の鍵だけどな。
≪プログラム・空間魔法≫を『異界の鍵1』にかけて・・・。
どう使うんだ?
定番の『空中で鍵を回す』をやってみるか。
おお、鍵の半分が空中で消えたぞ。
どうやら正解みたいだな。
扉の枠が空中に表れて空気の扉が現れた
ゆっくりと鍵を捻ってそのまま手前に引っ張る。
すると空気の扉の向こうには草原が広がっていた。
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ピコーン
プライベートワールドを獲得しました。
管理アプリを獲得しました。
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安全な空間かと思ったら安全な世界が手に入っちゃったよ。
「ソラ。これは一体なんなの?」
ルシアは驚いて大きく口を開きっぱなしだ。
せっかくの美しい顔がちょっと残念な感じになっちゃてるのも可愛いな。
「俺もまだ詳しいことは分からないけど『プライベートワールド』って言う世界みたい。」
「え、え!ソラってもう神格を持っていたの!?」
神格?
神ってこと?
ああ、寿命が亡くなるってそういう事か。
「いや、俺はまだ神格なんて持ってないよ。これはこの世界に来たときに手に入れたアイテムの力だよ。」
「え、この世界に来たってどういうこと?」
あ、そっちが気になりますよね。
「ああ、俺ってこの世界で生まれたわけじゃないんだよ。なんかよく分からない理由でこの世界に送られたんだけど、そのときに持っていた道具が一部魔道具になったんだ。この鍵はそのときの一つだよ。」
何で何で?
ルシアさんがまた泣きそうな顔になってるよ。
「ソラ、元の世界に帰っちゃうの?」
そうだよな。
普通は元の世界に帰ると思うよな。
「大丈夫だよ、ルシアを置いて帰ったりしないよ。もし帰るとしたらルシアも一緒だよ。」
ルシアが満面の笑みを浮かべてくれた。
良かった。
「ホント、私も一緒に行って良いの?」
「当たり前だろ。ルシアは俺のお嫁さんなんだから。」
両手で頬を押さえてイヤイヤするルシアは可愛いな。
「ソラ、またイチャイチャしてるぞ。早くプライベートワールドを確認しようぜ!」
「ブヒブヒ」(全く主は見せつけてくれるぜ)
仕方ないだろ!
ルシアが可愛すぎるんだから。
「分かった、それじゃプライベートワールドに入ってみるか。」
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