136.運命共同体
これは困ったぞ。
ルシアは言うまでもなく美人だ。
美の化身ではないかと思うほどに。
ルシアには何の問題もない。
問題なのは俺だ。
自分に全く自信がない。
いつか愛想を疲れたときのことを思うと怖い。
それに元の世界にも帰り辛くなる
そうすべては自分のためだ。
今はルシアのために行動しよう。
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「正直俺は自分に自身がない。だから俺はルシアに愛想を尽かされるじゃないかと不安だ。そんなどうしようもなく情けない俺だけどルシア俺の妻になってくれ。」
自分で言っていて悲しくなるくらい自己保身の塊みたいなプロポーズだな。
「うううぁぁぁぁん。」
また、泣かせちゃったな・・・・。
俺はルシアの背中を撫でながら泣き止むを待った。
「ありがとう、ありがとうソラ。」
ルシアは何度も泣きながらお礼を言ってくる。
「俺こそありがとう。こんな美人を嫁にできて俺は幸せ者だ。」
しかし、ルシアは何があんなに不安だったのだろうか?
原因を知って置かないと絶対また泣かすからな。
「それにしてもルシアは何がそんなに不安で悲しかったんだ?」
「私にはソラしかいないの。だからソラが私が必要なかったらまた一人になるの。」
ルシアが一人ぼっち?
こんなに美人なのに?
そういえば初めに会ったときにいた男がいないな。
「俺が初めに来たときにいた男の人は?」
「彼は適正者以外の人を追い返すために雇った人なの。ソラがやって来てからは必要なくなったから雇ってないの。」
「故郷に誰かいないの?」
「私は世界樹から生まれたの。だからエンシェントエルフは私一人なの。」
マジかよ。
血縁どころか同じ種族の仲間がいないのかぁ。
そりゃ間違いなく寂しいよな。
俺には想像すらできないけど。
それでもルシアみたいに美人だったら周りが放っておかないんじゃないか?
「ルシアみたいに美人だったらいろんな人が声をかけてくれるんじゃない?」
「それは無いの。私はソラの魔力とは逆でみんなから嫌悪される魔力を持っているから。」
この世界では魔力と人間関係が非常に密接なんだな。
モブの俺が魔力のお蔭でみんなに好かれて、美人のルシアが魔力のせいでみんなに嫌われるなんて・・・。
長い間一人で寂しくてやっと見つけた俺がルシアを必要としてないと感じてまた一人になる寂しさから感情が爆発しちゃったんだな。
「そっか、長い間寂しかったんだな。俺は魔力なんて関係ないし美人なルシアは絶対手放さないよ。」
ルシアが力を込めてギュっと抱き着いてくる
「ソラ大好き。」
グハッ!
ルシアのために死んじゃいけないけど死ねる。
そう!
死んじゃいけない!
「ルシア、俺は普通の人間だからルシアより寿命が短いよ!どうしよ!」
あれ?
ルシアは全然悲しそうじゃないし困ってなさそうだけどWhy?
さっきまで寂しさであんなに泣いてたはずなのに。
「大丈夫よ。世界樹を完全に成長させればソラは寿命がなくなるわ。それに私もソラの眷属になったので運命を共するから大丈夫よ!」
寿命がなくなる!?
それも驚きだけど運命を共にするって・・・。
まさかそういう事なのか!?
「ルシア、運命を共にするってもしかして俺が死んでしまったらルシアも死んじゃうってこと?」
俺は違っていてくれと思いながらも確信をもってルシアに確認する。
「そうよ。」
ルシアは嬉しそうにニコニコ笑いながら答える。
「ッ!!」
怒っちゃダメだ。
そのくらいルシアは追い詰められてたってことだ。
これからは今まで以上に危険に敏感にならないと。
自分の命だけじゃなくルシアの命も背負っていることを肝に銘じないとな。
さてルシアも泣き止んで落ち着いたことだし次にするべきことを聞こう。
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