132.衝撃の理由
「なぜ俺の魔力と世界樹の魔素が同質と分かるのですか。」
「それにはいくつかの理由があります。まずソラ様は使い魔の方を初め様々な方とすぐ親密になられますよね。」
どうだろ?
普通にじゃないかな?
「そうなんですか?全く自覚はありませんが・・・。」
ルシアさんは眉をハの字にして困った顔している。
「ソラ様分かっていらっしゃらなかったんですね。まずジンさんは鬼族でらっしゃいますよね。」
「おう、そうだぞ。」
「鬼族は己の戦闘力を高めることを至上としておりその上プライドも高いです。彼らは強い相手に敬意を払いますが使い魔になるなど彼らのプライドが許しません。そんな鬼族を従えている人は世界広しと言えどソラ様だけでしょう。少なくとも私は今まで聞いたことがありません。」
う~ん、ジンからは想像もできないな。
確かに戦闘狂なところは当てはまるかもしれないけど。
特にプライドは高くないし、孤児院の子供とよく遊ぶただの食いしん坊だよな?
「そしてポックルさんは半精霊ですね?」
(ソウダヨ)
「半精霊は非常に臆病な生き物です。今まで発見された例はありますが日常的に人前に表れるなどありえません。そんな半精霊を使い魔にしている方もこの世界でソラ様だけでしょう。」
え!?
でもポックルってすごい人懐っこいよ。
孤児院に行ったときも子供達と仲良く遊んでいたしな。
「ソラ様にはジンさんとポックルさんを使い魔にしていることを当たり前と思っておられるようですがそれもすべてソラ様の魔力が特殊だからです。」
「でも二人とも俺以外の人とも仲が良いよ。それにギルドでも何も言われなかったし・・・。」
いや寧ろ俺より仲が良いな。
そんなに珍しいなら何か言われるはず。
「ギルドで何も言われなかったのは予想外過ぎて気づかなかったのでしょう。登録には主の申請だけで済みますから。人懐っこいのはすべてソラ様の魔力の影響を受けているからです。そもそも使い魔とは魔力を供給される相手の影響を多大に受けます。ジンさんとポックルさんの場合はソラ様の影響を受けるのです。」
「え!俺のせいでジンとポックルの性格が変わってしまったってことですか!」
ジン、ポックル、ゴメン。
「性格自体は変わってないはずです。そもそもすべての生き物が回りの魔力に多かれ少なかれ影響を受けています。それに使い魔になる者は主の影響を受けても良いと思わないと契約自体が行なわれません。」
よく分からんがそんなに重く捉えなくても大丈夫なのかな。
「自覚はありませんがすぐ仲良くなれることと俺の魔力にどういった関係があるんですか?」
「はい、我々生き物は自分の魔力と親和性の高い魔力を持つ者に好感を持つのです。そして自分の魔力の基となる世界樹の魔素はすべての生き物にとってもっとも親和性の高いものです。その魔素に近い魔力を持つソラ様はすべての生き物に好かれるのです。」
・・・・あ!?
もしかしてエレナさんが優しかったのもレイナさんやティリスさんと仲良くなれたのもエリナさんとエナちゃんが親切なのもリーネさんが俺のお願いを聞いてくれたのもリーゼちゃんが好意的なのもすべて魔力のせいだったってことか・・・。
「ソラ様。どうしたんですか急に顔を暗くされて。」
「いえ、今までいろんな人と仲良くなれたのは全部魔力のせいだったんだなって思うと・・・。」
人の仲良くなれるは嬉しいけど何となく洗脳っぽくて嫌だな。
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